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第177話

かなり久しぶりのバイト出勤 間が空いたからと言っていつもとやる事は変わらない 「テストどうだった!?ちゃんと出来た?」 『バッチリっす!俺今回マジ頑張りましたよ!』 「良かったね」 『はい!あの、ずっと休みもらっちゃっててすいませんでした』 「いいのいいの!……うちの息子もあんたみたいに素直で可愛かったらいいのに!最近また反抗ばっかして来てさぁ」 『へ、へぇー……』 仲良いパートのおばちゃんと合間を見て軽くお喋り この人いつも元気で話しやすいからなんか良いんだよね 「あ、これ重いやつだから陳列宜しくね」 『了解っす』 飲料水の入った段ボールが大量に乗った台車を押していき店内で作業 米よりは全然マシだけどこれもなかなか重たくて しかも早く冷やさないといけないから何気に大変なんだよな 奥の方にある飲料水を前に引っ張り出し新しいのは向きも揃えてどんどん陳列していく 箱が空になったらまた段ボール開けてと…… 軍手してるとは言えたまに超かたい段ボールがあるから開ける時かなり手が痛い っつーか何だよこれマジでかてぇ!! この野郎っ 1つの箱を開けるのに苦戦していると、後ろから声を掛けられた 「すいません」 『えっ?あ、はい』 「先週発売された新商品の炭酸ってどれになりますか?」 『炭酸?ええーっと……すいません、確認します』 箱を1度置き、裏に確認しに向かった たまにいるんだよな新商品好きな客 先週はずっとバイト休みだったから新商品とか全くわからないや 『お待たせしました。あの、こちらになりますね』 「期間限定……あ、そうそうこれだ!ありがとう」 軽く会釈し再び作業に戻った 大学生の人かな?朔夜と同じぐらいにも見えるけど……や、朔夜見た目大人だから何とも言えないや なんてそんな事を思いながら苦戦していた箱と再び格闘 だが、どーしても開かないのでカッターと言う武器を使った よしよし 「ねぇ……」 さっきのお客さんがまた声を掛けて来た 『何でしょうか?』 「君最近ずっといなかったよね」 『えっ?』 「や、何気にここのスーパー良く来ててさ、最近見ないなーって思ってて」 『俺ですか?あ、テスト期間だったんでずっとお休み貰ってたんですよ』 「成る程……高校生だよね?」 『はい。高1です』 「そうなんだ。頑張ってね」 『はい!ありがとうございます』 再び会釈し、開いた箱の中身を全部陳列して裏へ戻った びっくりした…… 案内以外普通に話しかけられる事なんて滅多とないから超緊張しちゃった しかも何か前から俺の事知ってる風だったし 常連っぽい事言ってたけどあんまり客の顔見る事ないから全然わかんないや バイトが終わってアパートに帰って来て久しぶりのコンビニ弁当を食いながら朔夜に連絡した 〈お疲れ様、久しぶりのバイトはどうだった?〉 『超疲れた、明日絶対筋肉痛』 〈マッサージしに行こうか?〉 『いいよ!……朔夜は何してたの?』 〈俺はいつも通りだよ。……まぁ掃除かな〉 『本当綺麗好きだな』 〈そうでもないよ〉 『ふーん』 朔夜とこうして電話するのも何だか久しぶり ずっとそばで聞いてた声なのに、電話越しだからなんか変な感じがする 〈……どうしたの?〉 『ん?何でもない。今飯食ってるし、食い終わったらすぐ風呂入って寝るよ』 〈そう、わかった〉 『うん』 〈ちゃんと髪乾かしてから寝るんだよ?風邪ひいちゃうから〉 『扇風機つけて寝てたら勝手に乾くから大丈夫!』 〈もう……〉 『じゃあ朔夜も早く寝なよ?……もう切るね』 〈うん、おやすみ〉 『おやすみ』 凄く短い電話…… 大した話はしてないのに、声を聞いたらほっとする反面少し寂しくなる とにかく今日は本当に疲れた 早く寝よう .

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