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第180話
そのまま朔夜んち泊まって朝一緒に学校行ってといつも通り
あれだけジロジロ感じてた視線も最近は少なくなってきたような気がする
まぁ俺がそれに慣れて来たってのもあると思うけど
『あれ?勝哉さんは?』
休み時間、さっきまで隣にいたはずの勝哉さんの姿が気付けば消えていた
「さぁ、体育館裏じゃねーの?」
『ああ、あれか』
さっきも行ってたような気がするんだけど
本当ヘビースモーカーだな
「朔夜先輩にテスト見せたんだろ?どうだった?」
『褒めてもらえた!だけどさ、朔夜と比べたら俺の点数は糞だったよ』
「まずお前と先輩を比べる事自体が糞だな。そんなに朔夜先輩テスト良かったの?」
『うん……平均90点以上』
「やば」
『しかもあんまり勉強してないと思う』
「マジか、スゲーな」
『だろ?俺マジでびびったもん』
「朔夜先輩でそれだったら尾澤会長も凄いんだろうな」
『多分な』
「お前と朔夜先輩、勝哉さんと尾澤会長……改めて思うと本当に凄い組み合わせだよな。正反対じゃん」
『それはつまり俺と勝哉さんが馬鹿だと?』
「んー?」
「おっすー銀髪!あいつ居るか?」
「……何しに来たの?」
3年の教室に尾澤を訪ねに来たヤンキー勝哉
「あいつは?」
「あいつって誰?」
「あいつはあいつだよボケ!!」
「……」
「おいコラ無視すんじゃねーよ、チビ助虐めんぞ」
「尾澤にチクるよ」
「それだそれ!何処行ったか知らねーか?生徒会室にもいねーんだよ」
「尾澤なら保健室だけど」
「ああ?保健室だぁ??」
「気分が良くないんだって、煙草の煙りの吸い過ぎじゃない?誰かさんのせいで」
「あー?」
「何?」
「……ちっ」
本来なら殴り飛ばす所だがこいつは手強そうだ。それに孝浩がうるせぇ
睨む銀髪に背を向け保健室へ向かった
「おー!生徒会長いるか?」
保健室にいる先公に声を掛けた
「生徒会長?ああ、尾澤君か。そこのベッドで寝てるけど……何か用?」
「まぁ気にすんなや」
閉まってあるカーテンの隙間から中に入った
「んっ……」
「起きてるか?」
「勝哉さん……どうしてここに?」
「別に何もねーけど。何だ?調子悪りぃのか?」
「少し気分が悪くて……暑さにやられたのでしょうか」
「ふーん、まぁ何だか知らねぇけど」
尾澤の額に触れながら言った
「熱はねぇな」
「ありませんよ」
「そうか」
「心配してくれたのですか?」
「そんなんじゃねーよ」
「ふふっ小さな声でも喋る事が出来るじゃないですか」
「ああっ!?」
「しーっ!ここは保健室です」
その時、カーテンの隙間から保健の先生が顔を覗かせて来た
「職員室に用があるから少しの間空けるね。君、もうすぐチャイム鳴るからそろそろ戻るんだよ」
「はいはい」
適当に返事をし、先公が出ていくのを確認した後尾澤の横へ寝転がった
「か、勝哉さん?」
「他に誰かいんのか?」
「いえっ多分私だけかと……」
「っつーか落ちるからこっち寄れ」
尾澤の体をぐっと引き寄せた
「あの……」
「うっせーな。さっさと寝ろ」
「……」
「何だよ」
「いえっ勝哉さんの心臓の音が少し早いような気がしたもので。大丈夫ですか?あちらのベッド空いてますし勝哉さんもゆっくりされた方が……」
「だー!!やかましい!!寝ろ!」
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