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第185話

「今日は炎天下の中お集まり頂きありがとうございます。自治会長の神澤です」 「宜しくお願いします。生徒会長の尾澤孝浩です」 教師達の挨拶に続き役場から来てくれた環境グループの方々とも各自挨拶を交わした後早速川掃除のボランティア作業開始 「軍手と長靴とありますので使って下さい、あっ道具類もここにあるのを使って下さい。あと各自自由に水分補給をしっかりとして下さいね。あと足場が悪くなっている所があるかも知れないから気を付けて」 「はい、ありがとうございます」 他の生徒会役員の子達に指示を出し自分も軍手をはめた ゴミ拾いと草刈りと……不法投棄もあるな 「あの、会長……」 「はい?」 「さっきからずっとあそこで恐い人がこっちを睨んでるんですけど」 「え?」 そう言われて視線の先を見てみると、少し先の橋の上に勝哉さんがいてこっちを見ていた 目が合った瞬間慌てて違う方を向く勝哉さん 「ああ、私の知り合いですら大丈夫です。気にしないで作業を続けて下さい」 「は、はい……」 片手にゴミ袋、もう片手にゴミ拾い用トングを持ちゴミを拾い集めて行く 「ふぅ……」 暑いな こまめに水分補給をしなくては 首に掛けていたタオルで汗を拭き一度川から出る事にした 「良かったらどうぞ」 「いいんですか?ありがとうございます」 自治会長さんから冷えた緑茶が入ったペットボトルを頂いた 美味い…… チラッと橋の上を見てみると、勝哉さんが暇そうに煙草をプカプカと吸っていた 「…………」 先生方もいるというのに見られたらどうするんですか全く…… お茶を置き、再び軍手をはめた 「……うわっ!」 川に足を踏み入れた瞬間ずるっと足を滑らせ近くにいた子に咄嗟に掴まった 「会長っ大丈夫ですか!?」 「びっくりした……すいません、つい掴まってしまいました。貴方こそ大丈夫でしたか?」 「俺は大丈夫ですけ……ど……」 「ん?」 「あー?てめぇ何ジロジロ見てやがんだ」 いつの間にか勝哉さんが下に降りて来ていて直ぐそばにいた 「すいません……」 離れて行く役員の子 「怖がらせてはいけませんよ勝哉さん」 「別に俺は普通にしてるだけだ」 「もう……それより来てくれたんですね。良かったら一緒にやりませんか?」 「誰がそんなタダ働きなんかするかよ!!暑っちーから川に水浴びしに来ただけだ!そしたらお前らがたまたまいたんだよ!」 「そうですか」 「おお」 すると、自治会長さんがお茶を持って勝哉さんの所へやって来た 「良かったら君もどうぞ」 「おっ!気が利くじゃねぇかじじい!」 「勝哉さん!!」 「まぁまぁ、君も同じ学校の生徒さんかな?」 「おー。じじい熱中症になるんじゃねーぞ、早くテントの下に行って座ってろよ。もういい年なんだろ?」 「……っ!!」 「あっはっは、頼もしい子だなぁ。ありがとう」 自治会長は笑いながらテントの下へ向かって行った 「勝哉さん!!ジジイとは何ですか!」 「ああ?どう見たってじじいだろ?」 「呼び方!!」 「うるせーなぁ」 いけないいけない、早くゴミを拾わないと 気を取り直して再びゴミ袋とトングを持ち川に入った すると、勝哉さんが裸足になって川へ入って来た 「素足だと危ないですよ」 「大丈夫大丈夫!俺の事はいいからてめぇはタダ働きでもしてろよ」 「全く……」 「おらっ!!」 勝哉さんが素手で魚を捕まえた 「取った!!」 「凄いですね。よく素手で捕まえれましたね」 「俺を誰だと思ってんだよ。っつーか何だこの魚」 「さぁ、綺麗な色をしていますね。見た事ありません」 すると、今度は役場から来た環境グループの人がバシャバシャとこちらへやって来た 「君っちょっとその魚見せて!!」 「ああー?」 透明なケースに魚を入れそれをじーっと観察する役場の職員 「やっぱりこの色は……」 「何だそれ?」 「この辺にいるはずのない希少な絶滅危惧種かも知れない。ちょっと電話をしてくるから待ってて!」 役場の職員はそう言い、魚の入ったケースを持ってどこかへ行ってしまった .

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