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第192話
「あれ?布団買うの?」
『うん!』
バイトが連休だから車に乗せてもらい朔夜と一緒に大型店に買い物に来た
寝具売り場で色々物色中
ついでだから新しい枕でも……いや、俺にはあっちの森クッションがある。そういや朔夜の枕が無かったな
「俺が買おうとした時は嫌がってたのに」
『あの時とは状況が違うだろ?流石にシングルで2人は狭すぎる』
「俺はシングルがいいけどな〜引っ付いて寝れるし」
『狭い!』
「じゃあベッドは?」
『だから値段が高いから無理!』
「それぐらい俺が買ってあげるよ」
『それはダメ!』
「んーでもシングル2枚もいらなくない?」
『んー……』
確かに朔夜が俺んちに泊まる頻度は少ないしなぁ……
『あ!じゃあセミダブル買おうかな』
「セミダブル?」
『うん、ダブルだと1人で寝る時大き過ぎるしシングルじゃ2人は狭すぎるしそれだったらセミダブルがいいかなぁって』
自分の部屋の中を思い浮かべて想像してみた
……うん、セミダブルが丁度いいかも
今使ってるやつも大分くたびれてるし買い換えるいい機会だ
『朔夜、俺セミダブル買う!決めた!』
シーツ、掛け布団と必要な物が一式セットになったセミダブルの布団を抱えた
『カートに乗せ……あれっ前が見えねぇっ!どこ!?』
「危ないから俺がやるよ」
その次に朔夜の枕も選び、そしてレジでまた朔夜と揉めた
『俺の布団なんだから俺が出すってば!』
「俺だって使うんだから俺に出させてよ」
『いやっ俺んちの布団だから!』
「でも枕は俺のだし」
『枕ぐらい俺が一緒に買うよ!』
「頑固だなぁ」
『朔夜の方が頑固だ!』
2人して財布を出し苦笑いする店員さんの前で軽く言い合い
レジも段々並び出したし早くしないと迷惑になる
『……じゃあ折半しよう』
「折半?」
『それでいいだろ?』
「仕方ないな、わかったよ」
そう言いながら全額出そうとした朔夜を意地でも阻止した
『車って大きい買い物の時便利だよな!』
「そうだね」
大きな荷物を後ろに積んで貰い速攻帰宅
アパートの前に車を停め早速部屋に布団を運んだ
「このシングル布団はどうする?」
『一応まだ置いとこうかな。押入れん中だったら入れとけるし』
「そう。布団を出す前に先に部屋の片付けだね」
『うん』
散らかりっぱなしの俺の部屋
勿論シングル布団の周りも物だらけ
「取り敢えず停めっぱなしはマズいよね。一度車を置きに帰るよ」
『わかった』
「直ぐにまた来るね」
『うん、ありがとう』
再び朔夜は部屋から出て行き、その間に俺は部屋の片付けだ
『…………』
何処から手をつければいいやら
『あっ!』
こいつこんな所にあった!
服の中に埋もれていた読みかけの漫画本……あとで読もうと思ってたのに気がつくと部屋から消えていたんだ
どこまで読んでたっけな
「おまたせ、憂?」
『あっおかえり!』
部屋の掃除そっちのけで漫画本に没頭していた俺
「あれ?片付けは?」
『え?』
「…………」
結局部屋の片付けから何から何まで朔夜に手伝ってもらってしまった
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