17 / 41
友達関係
同級会のあの日からもう一度京と友達になった。もう一度、というのも変かもしれない。ずっと『僕の好きな人』だけれど、もう『好きな人です』と言う事も出来ない。
──いつまでも成長しないな……。
ずっと「好き」の一言が言えずにいて、遅くても気持ちだけ伝えたかった筈なのに、気が付いたら『友達関係』に縋っていた。京はあの日「もう一度、友達な」と言った通りに友達として接してくれている。けれど、弘には友達の距離感が分からない。
過剰に関わらず、適度な距離感で、無理して会う事をせず、親しくする。意識しなければ、連絡をくれる京の元に飛んで行ってしまいそうだったし、無理をしてでも会いたかった。同時に、名前を聞くだけでも切なくて、自分のものにならないのに自分のものにしたくて、彼女の存在を感じるだけで嫉妬で胸の奥が冷えて冷たい炎が燃えているようだ。
『一緒にゲームやろ』表示された京からのメッセージに『あと15分待って』と返して、あと少しの所で物思いに耽り止まったままだった課題を片つける。
京を優先しすぎず自分の予定も大事にする。京と再び友達付き合いをするのに課した自分への課題だ。他の友達と同じ様に――そう思う事が『特別』な証なのだけれど、そればかりは仕方ない。
就寝前の少しの時間、一緒にオンラインゲームをするのが日課に加わった。普段はチャットだけれど音声通話の時もあり、ゲームのついでに少しだけ話をする。
今日は少し難しいステージだったおかげで音声通話だ。ゲームの勝敗に本気になって一喜一憂する京が可愛くて、楽しくて弘も夢中で遊んだ。でも、楽しい時間は直ぐに終わる。明日は忙しいから早く寝るという京に、後ろ髪を引かれながらおやすみを言う。
「またな、おやすみ」
ただの挨拶。だけど思春期の身体は正直だ。『普通の友達』を意識していても耳に残る京の余韻に弘の身体は反応する。いけない、と思っても下半身の熱は増してくる。再会することで、手に入らない存在だと意識することで余計にこういう執着は増したように感じる。
「ひろむ」呼びかけられた声を思い出し、想像したくない事を想像する。
──京はきっと、最初はキスから……。
優しく触れるだけのキスを何度もそっと繰り返し、彼女が頬を染めて京を優しく抱くと、手は腹を辿り胸を探る。徐々に深くなるキス、舌を絡めてお互いを感じ合う。激しくなるそれに耐えきれずに彼女が吐息を漏らすと、唇を離しもう一度軽くキス。それから、手繰った服から覗くたわわな胸の頂上を吸い上げ、唇と舌で蹂躙する。
弘は下半身に熱が集まるのを感じながら、胸の突起に手を伸ばす。小さなそれを撫でて摘まみ捏ねていると、ジン……と痺れるような感覚がやってきて弘自身が一気に勃ちあがり、唇から小さな吐息が漏れる。握って撫でたいのを我慢して、そのまま胸の突起を刺激するが、直ぐに我慢できずにパンツをずり下した。片手で胸を、片手で弘自身を握り愛撫する。
──胸の突起を吸い上げ彼女の嬌声を楽しみながら、京自身を受け入れる場所に手を伸ばす。京はもう十分に滾っている。押し付けられる、逞しく熱い固まり。我慢できずに手を伸ばす。
撫でると、意外とさらっとした感触が手に気持ちいい。浮き上がった血管、先端から溢れる透明な体液。全てが愛しくて、優しく扱き上げる。
「んっ」
京の堪えきれない声。
「きもちいい?」
「ん……、きもちいい、ひろむ、もっと……」
両手で握りしめ愛撫する。
「あっ、京……」
弘の唇から胸にしまいきれなかった小さな声が零れる。
「京、だめ……、もっと」
片手で扱きながら、もう片手で血管と筋を優しく撫でる。
「あっ、だめ、きもちいい……」
「気持ちいい?」
「うん、も、イク……」
息を張り詰め、手のひらに熱を吐き出す。
吐き出されたそれを見つめ、少し迷ってから弘は後ろに手を伸ばす。手のひらの粘つくそれを頼りにそっと指を差し込む。強く締め付けられ中々思う様に入らない指で根気よく解していく。ようやく一本入るようになる頃には、粘りが無くなりキュッキュッと締められるような感触になり諦めて指を引き抜き、ため息を吐く。
身体と頭の熱が急激に冷め、急激に虚しさが襲ってきて汚れを拭う事もしないまま転がった。
途中から、自分が誰かも曖昧になってただ感覚だけを追いかけた。自分の熱が京の熱になって、京の手が自分の手になる。京とぐちゃぐちゃに混ざり合って追い掛けた快感の分だけ、独りが寂しい。
ともだちにシェアしよう!