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アドバイス求めてます?

「あ。君は確か」 「ああ。この前は助かった」 コイツ確かシェスと仲がいい同僚の恋人だったか? しかし、世間は狭いというか。 結構同性のカップルいるもんなんだな。 「いや。そう言えばこの前は名乗らなかったな。私はユーリ。宮廷の薬術魔道士だ。君は?」 「俺はクリス。第1騎士団に所属している。テオとシェスの一つ上の階級になる。だからテオの事はあまりよく知らないんだ」 まぁシェスの事もよく分からなかったんだがな。 告白されてから仲良くなったから。 「そうか。だが、君はテオの友人の恋人なんだろう?実は ちょっと話を聞いて欲しいのだが・・・ただとはいわない」 ん?なんだ? 俺に折り入って話たい事とは? 「・・・・そうか。じゃあ後で薬室に寄らせてもらう。ユーリは甘い物は食べるか?」 「・・・・まぁ。普通に。なぜだ?」 「余分にケーキが余ってる。それを後で持って行く」 昨日沢山作りすぎてしまったからな。あの量は二人では消化出来ないだろう。丁度良い。 「はぁ?そうか。ではお茶でも用意しておく」 今日はシェスとも特に約束していないからな。 そのまま何も言わずユーリの所へ行くか。 しかし・・・・俺に聞いて欲しい事とはなんだ? 「それで。お前達はどうやって付き合う事になったんだ」 「どう?それは、シェスに付き合って欲しいと言われたからだが?」 ん?なんだ?何を驚いた顔している?そんなに驚くか? まぁそうか。俺も確かに少し驚いたしな。 「それは、意外だな。彼が、君にそんな事言う様には・・見えなかったから。そうか。じゃあそれまで特に接点は無かったんだな?」 「全くなかったな。業務で一言二言話す程度だ」 ・・・難しい顔をしているな。これは、もしや。 「もしかして、テオとの事を相談しようとしているのか?俺では参考にならないと思うぞ?」 「・・・・そうだな。まぁ、だが一応意見を聞いてもいいか?」 知り合って間もない俺に意見を求めるくらいだ。切羽詰まってあるのかもな?まぁ話を聞くだけなら構わないが。 「実は私とテオは・・付き合ってはないんだ」 「・・・・それは、つまり。身体だけの関係って事か?」 ん?なんだ?俺の言葉にダメージを受けたのか?スマン。 しかし他にどう言ったらいいのか分からない。 「最初は、私が無理矢理手を出したんだ。強姦した」 ・・・・そうなのか? だが、テオはそれ程嫌そうにも見えなかったが? 「だがその事をテオは怒らなかったんだ。笑って冗談を言って誤魔化した。それから、私が手を出してもそれに付き合う様になった。だが、お互いにどう思っているのか口にした事はない。テオの・・・気持ちが分からない」 「聞けないのか?」 「もし、身体だけだと言われたら・・・ちょっと立ち直れない・・・・」 その気持ちは、分かるな。 俺の場合その返答を返される可能性がある。 シェスは本当に快楽に流されやすい奴だからな。 「それはまぁそうだがな。どちらかが本音を言わなければ話は進まないだろう?テオの言葉を待てるのなら待ってみたらどうだ?」 「待って既に一年が経つ」 お前。よくそんなに待ったな?それで変化なしか。 「じゃあユーリが言うしかないな。今の関係を変えたいのなら」 「恋人とそうでないのとはどう違うんだ?男同士だし何もわざわざ恋人だと言わなくても・・・・」 「そうだな。だが、もしテオが明日誰かと恋人同士になったらお前は耐えられるのか?恋人がいても身体さえ繋がっていればいいと思えるのなら、それでいいんじゃないか?」 当たり前だがそれはないな? そもそも元々そういう趣味ならともかく、そうでないのなら問題は身体の相性だけじゃないだろう。 「まぁ、俺ならそんなのはゴメンだがな?だったらいっそ別れる。不毛だからな」 「・・・・そうか。そうだな・・・」 「それはそうと、せっかく持ってきたんだ。ケーキ食べないのか?」 「ああ。わざわざすまないな。今お茶を入れよう」 ん?変わったお茶の香りだな? いい香りだ。この辺りのお茶ではないのか? 「私は薬草を沢山扱っているからその関係でハーブやお茶にも詳しい。何らおかしい事はない」 「ほぅ?それは興味深いな。俺もお茶の種類には興味がある。また来てもいいか?」 「まぁテオがいない時なら。今丁度ここに来れないんだ。忙しいらしい」 「あー。この時期は第2騎士団は色々行事に駆り出されるからな。それも後数週間で終わる」 そうしたらまたゆっくりシェスとの関係を深めて行こう。 きっとアイツ今油断してるだろうしな。 本当に分かりやすいな。 「・・・・へぇ。このケーキ美味しいな。何処の店の物だ?甘過ぎなくて食べやすい」 「ああ。それは俺が作ったから売ってないぞ?」 「・・・・・そうなのか?お前見た目によらず器用なんだな?店に出せるレベルだぞ?コレ」 それは初めて言われたな? それにしても俺もよく人から無表情だと言われるがユーリも中々表情が動かないな?すごく仲間意識を感じられる。 「そうか。口に合ったなら良かった。今度テオも誘って四人でお茶でも行くか?二人だと出掛けられないんだろ?」 「・・・・・それは、助かる。後、コレは今回の礼だ」 「なんだ?コレは」 「純度の高い潤滑剤だ。身体に入れても害がない。使うだろ?一度使えば長く持続するから使いやすいと思うぞ」 ・・・・コイツとは気が合いそうだ。 とりあえずコレは早速使わせてもらうとしよう。有難く。

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