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結果、上手く行きました。

「今日は遅かったんだな?」 「そうか? そんな事ねぇよ」 どうしたんだ? 珍しくテオの機嫌が悪い気がする。 何か嫌な事でもあったんだろうか? 「疲れてるのか? 飲み物甘い物にするか?」 確か蜂蜜が余っていたな。 ハーブに加えて甘酸っぱくするか。 テオはそれが好きだからな。 「あのさ、ユーリ」 「なんだ」 「もう、やめないか?」 これは、何を? と、聞き返した方が良いのだろうか。 答えは分かりきっているのに? 「・・・・何故、急に?」 「急じゃねぇよ。 ずっと考えてはいた。こんな関係、ずっとは続けられない」 それはそうだが。それにしても急だ。 もしや、テオにもとうとう誰かとの婚約話でも来たのだろうか?それで、女と結婚するのか? その女を、愛するのだろうか。 「・・・・・ユーリ。止めろ」 「だったら何故こんな関係を一年も? 私が可哀想だったからか? 哀れみで私に抱かれていたのか?」 私は、何を言っているんだろうな?そうじゃない。 テオは、私を友人だと思ってくれていたんだ。 その関係を終わらせたくなかっただけだ。 「じゃあ、ユーリはどうなんだよ」 「・・・・・は?」 「ユーリはどうして、俺を抱いたんだよ」 何を言っているんだテオは、そんなもの・・・。 「・・・・・もういい。こんなの堂々巡りだ。俺、もうここには来ないから」 「待て! テオ・・・・」 「抱きたいだけなら俺じゃなくてもいいだろ?外に出て他を当たれ」 「誰が! お前以外お断りだ! 私は別に男が好きなわけじゃない!」 これは、ついさっきまでクリスと話していた事ではないだろうか? ここでテオを手放したら全て終わってしまう気がする。 「お前だから・・・私は、テオが、その・・・」 なんで次の言葉が出てこないんだ。 テオに酷いことばかりしているのに、何故いつも肝心な事は伝えられないんだ私は。 「・・・・・・俺が、何だよ?」 言え。今言わないと。 もうこれで最後なら、ここで言わないと後悔する。 どうせ終わるなら同じじゃないか。怖がるな。 「テオ・・・・・愛してる」 「・・・・・へ?」 テオ? なんだその間抜け面は。 お前ここはとても大事な場面だぞ。 私が勇気を絞り出してお前に想いを伝えたというのに。 気が抜けそうな顔をするな。 「あ・・・愛って・・お、おまっ」 もしかして、コイツ物凄く狼狽えてるのか? やはり、同性からこんな告白は嫌だったのだろうか。 「もっと、こう。普通に、好きとか、あるだろ。いきなりなんなんだよ」 違う。これは、嫌な時の反応じゃない。 そうだろう? そうであって欲しい。 「テオは? テオは、私の事をどう思ってるんだ? やはり、気持ち悪いか?」 「・・・気持ち悪いと思った事はないぞ。触られたくなきゃこんな事させる訳ない」 「じゃあ、少しは好きだと、思ってくれている?」 「・・・・俺は、お前の恋人なのかよ」 ちょっと今、私は猛烈に感動している。 もしかしなくても、テオは、これを待っていたのだろうか? 「許されるなら。そう、なりたい」 「別に、いいけどさ」 私は愚か者なのか? なんでもっと早くにテオに自分の気持ちを明かさなかったんだろう。 一年。一年もの間、曖昧な関係を続けていれば、テオだって不信感を抱いてもおかしくない。 つまり、テオも俺と恋人になる事を望んでいてくれてたのか。 「私と恋人になって欲しい。テオ・・・」 「ああ。あの、ユーリそんなに密着されると、な?」 「嫌なら今日はしない。キスだけしていいか?」 久しぶりにテオの笑った顔を見たな。 なんだろう。ずっと不安だったのが不思議と失くなっていく。私はずっとこれを求めていたのか。 「ん・・・ユ、リ」 「ずっと言わなくて悪かった。最初が無理矢理だったから、どうしても口に出せなかったんだ。テオに拒絶されるのが怖かった」 もう、テオの嫌がる事をするのはやめよう。 今日からは恋人として、テオを大事にする。 「ちょっ・・ユーリ恥ずかしい。なんだか、物凄くこそばゆい感じがする! で、出来れば今まで通りの対応で・・」 「何がだ? テオ?」 さっきから真っ赤な顔で狼狽えっぱなしだが、一体どうしたんだろうな。私はいつも通りだろ? 「そ、そんな顔で俺を見るなよ。俺、直視出来ねぇよ」 そんな顔? 私はどんな顔をしてるんだ? 確かに余りの嬉しさと安堵から顔の筋肉が緩んだ事は確かだが・・・。 「テオ? もう少しキスさせて欲しい」 「だ、だから!! その顔と表情で俺を見るな! 俺はちょっと驚いた! 自分の気持ちに驚いた!」 言ってる意味が全く理解出来ない。 しかし本気で嫌がってないので強引に続行する。 勿論嫌がったら無理には続けるつもりはないからな。 「よせって。俺・・・もぅ・・」 「テオが望むようにする。テオ、どうして欲しい?」 テオには秘密だが、私はこの日のテオを完全保存版として脳に焼き付けている。 「・・・・ユーリので感じさせてくれ。気持ちよく、して欲しい」 正直テオのそのセリフだけで私は暫くオカズには困らなかった。オマケにその日テオに何度も求められて私は正直嬉しくて死にそうだった。 散々テオを可愛がって満足させた後、トドメを刺された私はきっと二度とテオから離れられないと思う。 「お前、俺以外の前であんな風に笑うなよ。腹立つな」 クリス・・・・・お前には感謝しかない。 私は今日から全面的にお前の味方になってやろう。 お前は今日から私の友人だ。持つべきものは友だな!

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