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今度こそ振られると思っていたら

「おい。シェスがお前を待ってる」 シェスが?もしかして、今日こそはきっちりケリを付けたいと言う事だろうか? 正直、会いたくない。 「ひでぇ顔だな。俺は正直驚いた。お前でもそんな顔すんだな?」 余計なお世話だ。 本人の俺が一番驚いている。 シェスに拒絶されるのがこれ程辛いとは思わなかった。 今まで素知らぬ顔でシェスに手を出していたツケが回ってきたんだろうな。勿論シェスも悪いとは思うが。 「いつもの所にいるってよ。時間はあるからゆっくりして来い」 行きたくないと思うのにシェスには会いたい。 俺はいつの間にこれ程シェスを好きになったんだろう。 宮廷の裏庭に出て奥に進んで行くとシェスが泉の近くに腰掛けている。 なんて声をかけたらいいのか分からない。 「よう。悪いな忙しいのに」 「いや・・・それは構わない」 この雰囲気は、やはり別れ話か? どうする?いつもならすんなり受け入れて来たが・・・。 今回は、無理だ。 「何突っ立てんだよ。座れば?」 「・・・ああ」 余り側に寄ると嫌がられるだろうから、少し間をとるか。 ん?シェス、何故不機嫌な顔に? 「お前、明日討伐隊に加わって殿下の護衛につくんだって?」 なんだ、仕事の話か・・・そういえば急な話でシェスに話すタイミングなかったな? 「ああ。暫くはここを留守にするが、ジェイダが残るからな?心配は・・・」 「俺がお前の心配するんだけど?」 「・・・・・ああ。そうか?」 なんだ?益々機嫌が悪くなったな?なんなんだシェス。 「絶対無事に帰って来れるとは限らないだろ?」 「それはまぁ。しかし、俺達は騎士だからな?」 「殿下の護衛なら、命懸けで護らなきゃならない」 「その為に同行するな?」 「もしかしたら死ぬ可能性もある」 ・・・それはそうだが、そうならないよう考えるのも俺の仕事なんだが? 「そんな腑抜けた調子で大丈夫なのかよ。何?死にたいの?」 「・・・シェスに言われてもな。お前の所為でもあるんだが?」 思わず本音が口から出たぞ? なんなんださっきから。 そもそも俺をどうしたいんだシェスは。 「どうしたら、元気になる?」 お前また極端な質問だな?そんなの決まってるだろ。 「なら別れ話は取り消して欲しい。それで、ドロドロになるまでキスしていいか?」 俺も完璧超人ではないからな? シェスに拒絶されて心がササクレ立っている。 これはそんな俺にこんな事聞いてくるシェスへの細やかな嫌がらせだ。精々困って欲しい。 「・・・いいけど。ここで?」 「は?」 すまない。俺はこれからシェスの事を無自覚な小悪魔と呼んでもいいだろうか?お前、今それを受け入れるか? 「キスだけだからな?続きは・・・無事に帰って来れたらさせてやる」 そう言って俺の膝の上に跨って来たシェスの恥じらう顔を見て俺が何を思ったか、容易く想像出来たんじゃないか? 「・・・すまん、もう少し要求を足したい」 「断る!!ここ外だから!」 ・・・・・・・・・チッ!

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