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番外編 学生時代 朝から

いつもより少し早く起きて身支度を整え学校へと向かう 早すぎて通りにほとんど人がいない …静かすぎるのもな、なんか嫌な感じだな そんなことを考えながら足早に学校へと行く 昨日と同じ非常階段のところに既に町田は来て座っている 「悪い、待たせ…うわっ」 開口一番悪いとは分かっているが声が出る 昨日よりもあざの色がひどくなってる …グッロッ 「…おはよう ごめんね、気持ち悪い、よね」 「そんなんなら尚更そのままにしとくわけにはいかねぇだろ こっち向いて」 町田の隣に腰掛け怪我の部分にガーゼを貼っていく …よし、昨日ちゃんとやり方調べてきたから昨日よりはきれいに出来た 「ごめんね前園くん ありがとう」 「いいって、何度もあやまんなよ 教室行く…っていっても早すぎるか」 人と合わない時間を選んだためまだ友達も 登校していないだろう はー、どうすっかな 「前園くん、教室行かないの?」 「え、ああ早すぎるしな 町田こそ行かねぇの?」 「ぼくはここで本読んで時間つぶそうかなって思って …早く行きすぎて教室いたら迷惑だろうし」 「んー…じゃあさ、俺の暇つぶし付き合ってくれよ」 一度立ち上がったがまた元の位置へと戻る 「えっ!ぼ、ぼくが!?」 「怪我の手当てのお礼みたいな感じでさ やってくれよ、いいだろ? 町田ってなんの本読んでんの」 「あ、えっと今ぼくが読んでるのは…」 それから毎日朝早くに登校して怪我の手当てをしたあと何でもない他愛ないことを話すようになった 町田と話す少しの時間はとても楽しかった

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