36 / 77
番外編 学生時代 誘い
「ん、かなりきれいになってきてるな」
「えへへ、幹人のおかげで
もうほとんど治ったよ」
学校がある日は毎日手当てをして手当てが
終われば二人で話す
趣味や嗜好も全然違うが話すのは楽しかった
いつの間にか名字から名前で呼び合うようにもなった
「これなら明日からは幹人にやってもらわなくても大丈夫そうだね」
「…ん、そう、だな」
最初はそのままでいられる方が迷惑だからとやっていたがこうやって話すことが無くなるというのは少し、嫌な感じがするな
と思っていれば
ぐぅぅぅぅ
大きな腹の音がなる
かなたを見れば顔を真っ赤にしている
「はは、めっちゃでっけー腹の音なったな」
「うぅ、ごめん
ぼく、昨日の昼から何もたべてないから…」
「は!?昨日の昼からって…給食食べたあとからなにも食ってねぇの!?」
わたわたしながらかなたが言い訳する
「い、いや普段はちゃんと食べさせてもらってるんだけどき、昨日はたまたまで…」
「朝、昼、晩食ってんのか?」
「え?ええっと朝は食べて昼は給食で夜は
食べたり食べなかったり、食べなかったり…かな」
…えへへとか笑ってるけど多分普段から夜は食べてないんだろうな
見てわかるぐらいかなり痩せているとは思っていたが
「別にぼくは慣れてるから大丈夫だよ」
大丈夫じゃないはずなのにへらっと笑う
大体かなたがへらって笑うときはごまかすときだからな
んー…そうだ
「かなた、今日俺の家でご飯食べにこいよ」
「うえぇっ!そ、そんな更に幹人に迷惑かけるし…
別にぼくは食べなくても大丈夫だし…」
「俺、家に俺以外いないからたまには誰かと食べたくて
かなたが来てくれたら俺が嬉しいだけなんだけど…無理なら別にいい」
嬉しいだけと強調して言ってやればむにゃむにゃ言いながらも
「幹人がそう言うなら…」
と一緒にご飯を食べることになった
「じゃ、俺今日部活ミーティングだけだから…
五時にまたここに集合で」
ともだちにシェアしよう!