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番外編 学生時代 くっつく
いつもどおり学校へ登校すればまた周りからひそひそ声が聞こえる
その声を打ち消すように
「幹人、おはよう!」
かなたが声をかけてくる
無視して歩く
それでもついてきて話しかけてくる
常にまとわりついてくる
放課後も律儀に階段のところで待っている
……俺も律儀に行ってるけど
どうしてもかなたのことは無視できなかった
ーーーーー
「……幹人、目の下真っ黒だけどちゃんと寝てる?すごいことになってる……」
かなたと話すようになって少しした頃かなたに言われる
「……別に……大丈夫だから」
「大丈夫なわけないじゃん!そんなので
ちょっとでも横になったほうが……
どうしよ、寝れそうなら保健室に行って寝たほうがいいよね
完全下校までまだ時間あるし……」
ぶつぶつとかなたが呟いているのも半分も何を言っているか分からない
何日も寝てなくて回らない頭で寝るという
ことだけ理解して
(ねる?ねてもいい?ねれる?だったら……)
かなたへと抱きつく
かなたが何か言ってる気がする
でも温かくていい匂いがする
これなら眠れそう……
そのまま俺は意識を手放した
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