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②
この毒舌
人をどんだけ馬鹿にすればおさまるのか
しかも……
『玲二さん、そんなに腰振って気持ちイイんですか?』
『ち、違ッ…く、ぁ、…あ』
『そんな事言って、さっきから勃ちっ放しですよ。それにこの濡れているのは何でしょうね。私が突き上げるたび、ほらまた溢れて……
ああ、玲二さんは元から素質があったんですね。
男に抱かれる、素質が。』
そんな素質ねーわっ!
昨日……
と、ゆーか今日の朝方まで無理矢理、断じて無理矢理にヤられまくっていたこの俺に掛ける言葉が
(馬鹿、だとッ!!)
男に抱かれるなんて、人生初
いや、後にも先にもこれっきりだ
「玲二さん、酷いお顔が醜い事になっていますよ。私たち人狼の習わしに従って恩返ししているだけですので、馬鹿みたいに睨まないで下さい」
「うっせ!」
何が恩返しだ
そう、コイツは
人にも狼にも姿を変える事が出来るらしい
生活する上でほとんどは人の姿でいるようだが、昨日はたまたま狼でいたところ、俺が遭遇してしまった
そして…
親切心を持って取った行動は仇となって、なぜがコイツが居座る羽目になったのが昨日
神様がいるならマジ、時間を戻して欲しい…
「でも、良かったですね玲二さん」
「は?」
突然訳の分からない事を言われて
なにが?
そんな俺の表情が分かったのか、極上の笑みが返って来る
「人狼は月の魔力と関係しているんです。
そのせいか私たちと交わる人間は何かしらの影響が周りに起こるらしく、だから何の取り柄も無い呼吸をしている事すら勿体無い玲二さんにもこれから良い事がありますよ」
は?
は、はぁあああ!?
コイツ……
「ぶはっ!!なに言ってんだよ!じゃあ、何か?お前とエッチすると良い事が起こるって言うのかよ!
で?で?宝くじが当たったり?なになに、それとも可愛い子からアピールされたり?
ぶっ、ハハハッ!マジ腹痛ぇーー!」
「百聞は一見に如かず……脳みそが足りない、いえ腐った脳みその玲二さんには実際体験したほうが良さそうですね」
「ぶひゃ、ハハハッ!ひーひぃいひ、ひ、ひ!」
確かこんなやり取りがあったのは今日の朝だった
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