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②
「かんぱ〜いッ」
この合コン、何がなんでも成功させたい
同僚とリサーチして予約したイタリアンは、口コミ通り外観も中の雰囲気も良い
個室では無いにしても周りのテーブルとかなり間が空いている為、ゆったりとして快適で
正面に可愛い女性3人が、俺のテンションをさらに上げてくれている
最初は少し緊張感があったが、同僚の1人と女性陣の1人が友達なのもあって、その2人を通して会話が弾み、お酒もいい感じに入ってきて
一言で言うと
(めちゃくちゃ楽しいッ!!)
しかも相変わらずニキの強運がツイているのか
俺の正面に座る浩子ちゃんが、料理の感想や趣味の映画、犬好きな所とか俺とドンピシャで話しがすっげぇ盛り上がる事
(こんな子が彼女だったら楽しいだろうなぁ)
そんな思いが芽生え、ひとしきり趣味の話しをしたところで、一呼吸するぐらいの間
その時、浩子ちゃんがおずおずと、あの…と口を開いた
「あ、安倍さんは彼女さん…いるんですか?」
「え?い、いや…それが、いないんだよね。この前、別れちゃって…」
「そうなんですね。あ、あの、私…
こんなに初対面の方とお話しが合って楽しいの初めてで…その…」
「え?」
「もし、もし安倍さんさえ良かったら…またご飯でも、どうですか?今度は2人で…」
ジッとこちらを見つめる真剣な浩子ちゃんの目と視線がぶつかる
合コンでこんな素敵な子と出逢えて、しかも俺と趣味が似てて、そんな子がまた一緒にご飯に行きたいと言ってくれて
俺も彼女の事が気になっていて
そう、これは断る理由なんか無い
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