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ねっとでびゅーしてみよう。2/3

「…………おはよう、遼ちゃん」 「ミオ、」 「なに遼ちゃん?」 「これからちょっと写真撮るから」  起き上がったミオを見ると、着せていたセーラー服にシワがついていた。  やばい………このカッコで撮影しようと思ってたけどずっと着せてたらシワだらけであとで売るに売れなくなってしまう。  紺のセーラーだから色移り、ってのも心配だ。 「しゃしん?」 「そう写真。だからとりあえずその服脱げよ」 「え? もう、やだ遼ちゃん、まだ昼間なのに………v」 「そういう意味じゃねぇよ! 着替えてもらうだけだっっ」  いちいち突っ込まなきゃいけなくて溜息が出る。 「遼ちゃん、溜息ついてどうしたの?」 「ゆっくりムーディーに脱ぐんじゃねぇよ! 早くしろっっ」 「もう、そんなに怒っちゃヤダってばぁ」  あぁもう、ホントにどうやって付き合っていけばいいんだ………くらくらしながらカメラを探す。  確かバッグに入れて玄関に置いてたからと思ったらそこにはなく、バッグ自体が車にあるんだったと気付き、慌てて車まで走って取ってくる。 「ちょっ………オマエっっ………!!」  さらに慌てて戻るとミオはすっかり勝手に着替えていた。 「だって着替えるだけって言ったから………箱の中の服探して………」  ピンクのうさちゃんコスチュームセット。 「え? 遼ちゃん、これ僕のじゃなかったの?」 「た、確かにオマエのために買ったものだけど、………」  おもわず膝からがっくりと崩れ落ちる。  あぁもう、せっかく新品未使用で売っぱらってやろうと思ってたのに。  それより思ってた以上に似合ってたことの方が大問題だ。  ちくしょう、こうなったらオークション用の写真としても撮ってやろう(?)。 「んじゃ、撮るぞ」 「なにを?」 「写真だよ………ほら、そのソファ座って」 「うん」 「ちゃんとこのカメラ見て、撮るぞ?」  が、ミオはカメラを訝しげにじっと見ているだけ。 「………オマエ、せっかくだからちょっとは笑えよ」 「や。」 「や、じゃねーよ、いつも笑ってるだろ? ホラ、」 「や!」  カメラを向けるがミオはむくれるようにして顔をそらす。 「なんだよオマエ、言うこと聞けねーのかよ?」 「だってそのかめらっての邪魔だもん、遼ちゃんの顔見えないなんていや! かめらに笑うことなんて出来ない!」 「はぁ?」  なに言い出すんだコイツはっっ。 「………オマエなぁ、こっちからはちゃんとオマエの顔見えてんだからそんな余計なこと考えなくたっていいんだよ」 「でも遼ちゃんがこっち見ててくれないからやだ!」  あーもう、ラチがあかねぇ。他のヤツはどうやって撮ってんだこれ?  仕方なく三脚を引っ張り出してセットする。 「ホラ、これでいいだろ?これ以上文句言うなよ?」  カメラの角度をいじりながら、俺もむくれる。 「撮るぞミオ、………おい、ミオー?」 「なに遼ちゃん?」  やっと笑顔になったから、パシャッ。 「ミオー?」 「遼ちゃんv」  パシャッ。 「はい、ミオ~?」 「遼ちゃんv」  パシャッ。  ………うん、なかなかいんでないの?  このまま座ってるだけってのももったいないな。 「よしノッてきた! ミオ、そっちの壁に立て」 「うん、ここ?」 「そう。で、ポーズしろ、なんかセクシーなポーズ」 「せくしーなポーズ?」 「こうだよ、こう」  前かがみで腕を寄せ、胸元を強調するようなポーズを見せる。 「こう?」 「そうそう! はい、ミオー?」 「なに遼ちゃん?」  パシャッ。 「いいぞいいぞ。次はこう!」 「こう?」 「いいねいいね! ミオー?」 「遼ちゃんv」  パシャッ。 「壁に手をついて振り向いて………こう!」  パシャッ。 「四つんばいになって………こう!」  パシャッ。 「いいぞミオ、ノッてるぞミオ!」 「遼ちゃんv」  パシャッ。  ───アホなことをしていると気付いたのは燃え尽きてからだった。

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