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おあずけぷろぐらむ 2/6

 えっちをロックするということは、アイツが断って俺がお預けを食らうだけだと思ってたのに、アイツの方からもそんな流れには一切持ってはいかない、素振りも見せない、ということでもあったんだな………納得と同時に、えらいことになってしまったと感じる。  確かに裏技的なものの存在は知っていたけれど、こんなプログラムどこのサイトにも書いてなかったし。  マンネリ打破的な感じで性格が変えられるらしいって話もよく書かれていたけど………。  改めて職場でネットを使い「おあずけプログラム」で検索してみるがやっぱり出てこない。  ますます焦りつつ、そうだ、と、掲示板で以前SNSアドレスとメールアドレスを教えてくれた人を思い出す。  俺の書き込みに、一番最初にマジレスで返答してくれた「フェネック」さんて人だ。  その人はサイトは持ってないにせよ、いざという時の対処法に詳しい人らしく、他のスレッドを見ても丁寧な説明でさまざまな返答をしてるのもいくつか見つけた。  今度は携帯を手に外に出てそのフェネックさんへとメールを打つ。 『こんにちはフェネックさん、以前掲示板でお世話になったRYOです。  いきなりの質問で申し訳ありません。  あれからうちのヤツと暮らしていて、正直前向きな気持ちで付き合っていこうと思った矢先に突然「おあずけプログラム」というものが発動しました。  セクサロイドなのに性交を制御するプログラムのようです。  解除の方法はわかってるのですがどうも恥ずかしくてできません。  他にもこういう事例があるのでしょうか………?  あと、このプログラム自体を削除する方法はあるのでしょうか?』  とりあえず送信する。………が、送信し終えてからあれ? と思う。  俺はもともとゲイじゃなくてアイツが来て心底ガッカリしたのが最初だ。  最初からこのプログラムの存在を知っていれば、これを起動させてえっちナシに付き合うことだって出来たはずなのだ。  それができればこんな、おかしな感情に振り回されることだってなかったはずなのに。  みんな面白がって黙ってたのか? まさかなぁ………などと戸惑っているとすぐに返事が来た。 『フェネックです。もらった話の例は何度か聞いたことあるし、説明長くなるから夜にパソコンのメールの方にレスします。  もし時間があればそれまでにプログラムが発生した時の状況を詳しく教えてください。』  やっぱり丁寧な返事が返ってきたし、故意に隠してたような感じはしない。  とりあえず促された通り、昨日のやりとりを恥ずかしくない程度に書く。 『こういうプログラムがあるなら、最初に教えてもらえたらよかったのに、と少し思ったものですから(汗)』  って、最後はちょっと感情的すぎたかな………と思いつつ返事をする。  やっぱり、どこかひっかかるし。それが夜の返事でわかるのだろうか。  とりあえず夜まで待つことにして会社に戻った。

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