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おあずけぷろぐらむ 6/6
【病気かな? と思ったら】
『Q:営み中に恋人が気を失ってしまいました。』
『A:長時間相手をしたり、一度に回数を重ねすぎてしまうと一定以上の熱が上がり、ごくまれにオーバーヒートを起こす事があります。
それによりクールダウンのため恋人はスリープモードに入ります。
時間を置いてからいつものように起こしてあげてください。』
翌朝。
風呂場のシャワーの水音を聞きながら、俺はテーブルの上でがっくりとうなだれていた。
昨夜、急に動かなくなって本気で焦って取説見たら↑みたいなこと書いてあるし………。
いくら初体験とは言え、オーバーヒート起こすまでヤるとかどんだけサカってんだよ俺。
っ、だってしょうがないじゃんいつも遼ちゃん遼ちゃんゆってぽやぽやゆるゆる微笑んでるアイツがあんな顔したりあんな声出したりとんでもない言葉を言ったりまさかこんな要求やあんな体位まで!? とか全部が全部とんでもなくエロ過ぎてもう何発やったんだか今思い出すと恥ずかしいけどしょうがないんだよこれはアイツが悪いんだっっ!(泣)。
って、思い出すだけでまた………頬を叩き濃い目のコーヒーを飲みながら溜息をつく。
「遼ちゃん、お風呂あがったよ」
「んっ、あっ、あ、あぁ、ハイ、お疲れさん」
パタン、と音がしてミオが風呂場から出てくる。
「なっ! おまっ、なんでまだハダカッ!」
「え? だって遼ちゃんがくれたパジャマなかったんだもん………」
「へ? あ、悪い、そうだった」
慌てて立ち上がり、代わりにと自分のシャツを取りにいく。それを、ミオはペタペタと歩いてついてくる。
「や、あの………別についてこなくてもよろしいのでは」
「ダメ? 遼ちゃん」
「いや、ダメじゃございませんけど」
ハダカで顔を覗き込まれつい昨夜のことを思い出し、慌てて母親の顔を浮かべて落ち着く。
「………ほらこのパンツとスウェット、上はこのTシャツ着ればいいから」
「えっ? でもこれ遼ちゃんのでしょ?」
「うん、そう」
「いいの? 僕が遼ちゃんの服着ていいの?」
「うん、まぁ、」
「ありがとう遼ちゃん!!」
「ハッ、ハダカで抱きつくなっいや怒ってるわけじゃないしちゃんと抱いてやるからっっ!」
うっかり言わなくていいことまで口走っちゃってるし(泣)。
あぁもう、これで万事上手くいったと思ってたのに、またこんな日々が続くのかよ………って、ただ単に俺一人が勝手にわたわたしてるだけだけど。
「着替え終わったか?」
「うん」
「じゃ、俺仕事行って来るから」
「うん、いってらっしゃい!」
そして、以前のような朝が戻ってくる。
「んじゃ、行って来るから、」
「あ、待って遼ちゃん!!」
指をミオの口唇へ伸ばそうとするとそれを慌てて止められる。
「なっ、なんだよ?」
まさかコイツ、もう指ちゅーじゃ満足できないとか言い出すんじゃねーだろな。
きっ、昨日の夜の件もあるし(ビクビク)。あんなことやっちゃったし(思い出すな俺)。
「あのね、………遼ちゃん大好きv」
一瞬身構えたけど、ミオはにっこり微笑んで大告白をする。
───あぁ、もう。
ホントにコイツはまったく、もう…………。
「………うん、ありがとな」
思わず頼まれてもいないのに口唇にキスをしてから、指を当てる。
「じゃ、行ってくるな」
「うん、行ってらっしゃい」
微笑みながら目を伏せたのを確認してドアを閉める。
って、あーーー恥ずかしいっっ! 本当に朝からナニやってんだ俺っっ!!
そしてやっぱり閉めた途端、顔を覆い隠ししゃがみこんでしまう。
ま、まぁ、元に戻ってくれたんだからヨシとしよう。
何よりあの笑顔がまた見られるんだから。
それで俺も満たされるわけだから。
とりあえず今日は早く帰って、二人でのんびりすることにしよう。
んで、まぁ、あとはヤり過ぎない程度に………。
なんて思っていたらまた以下略が目覚めそうになったから、パチン、と自分の頬をまたひとつ打った。
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