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「友樹さんの部屋入るの、意外と初めてかも…………」
「飲むのもいつもリビングだしね」
まんまと俺の城に足を踏み込ませ、咲也の肩を抱いてテレビの前に座らせる。
「団地系、好き? しかも無修正ですよお客さん」
「っ…………」
誰も入ってこないとはいえ、いざって時に備えてゲイ関係のものは隠してんだよねー………カモフラで置いてるだけのエロビをちらつかせるだけで咲也はさらに赤くなって、でも興味津々でビデオテープを見つめる。
「、あのっ、」
「ん?」
「ふ、二人で見るんですか?」
「当たり前でしょ。男同士でよくやってるよ、知らないの?」
「は、はい………僕、女の親せきが多くて女の子ばっかりと遊んでたので………学生時代も料理とか手芸ばっかりやってて友達もあんまりいなくて」
「へぇ、どーりで料理も裁縫も上手いわけだ」
って言われなくてもばっちりリサーチ済みだけどね。
「てことで、じゃまずはパンツおろしてね、」
「えっ? あのっ………」
「俺さっさと脱いじゃいまーす! お尻ぷりぷりーなんちゃって~」
「………んふふっ、友樹さん、やっぱり面白いですね」
男子のノリでパパっと脱いで明るいテンションでお尻を振って見せて緊張をほぐす。
「こんな下品なお義兄さん、がっかり?」
「いえっ。………最初は友樹さんのこと無口で怖い人なのかなって思ってまして。絵を描いているし気難しい人かも、とか………でも本当はとっても親しみやすくて楽しい人なんだなって………」
促されて恥じらいながらもそもそとパンツをおろす姿、おにーさんたまんない気分でガン見してるの気付いてないだろうなぁ。
二人で胡坐をかいてしばらく、チラリと隣を眺めてみれば、食い入るように画面を見つめている姿………あぁ、なんて若くてピュアなんだろ。
「んじゃ、さっそく…………」
「っ、え!? あのっ、友樹さんっっ、」
「いいからいいから画面見ててよ。男同士じゃよくあることだって。………懐かしいなぁ、男子高時代♪
ほ~んと昔っから馬鹿なことばっかやっててさぁ、」
「でもっ……っ、あ!」
いきなりチンコ握られて驚く咲也を『男同士』という魔法でだまくらかしてパックリいただいちゃいましょうか。
………もちろん、いま咲也が思ってる『男同士』って意味とは全く違うんだけどね。
軽く舌を這わせ、そっと口に含むだけでビクン、と反らされる体。
「あっ、あぁっ……とも、きさんっ、僕、」
「んまぁ、咲也くんったらきれえな色しちゃってまるで使ってないのねンv(いきなりオネェ)」
「や、だ、だめっ………もっ、もうっ………!」
あらら。もうちょっと楽しみたかったのに咲也はあっという間にイッてしまった。
飲んじゃいたいのを我慢して、ひとまずティッシュにプッと吐き出す。
「あ………ご、ごめんなさっ、僕そんなつもりじゃ」
「大丈夫大丈夫、男同士あるあるだから………それにしても結構早かったね?」
「っ、~~~~~~~」
「違う違う、早漏って意味じゃなくて若いなぁ、と思って。
いやいやわかるよ咲也くん。よっぽど溜めてたんでしょ、かなりギンギンだったし金玉パンパンだったし、」
「っ、やっぱり友樹さん下品ですっっ」
「ごめんごめん」
ぎゅっと閉じた目から少し涙が滲んでて、さらにふるふる震えてる肩をパンパン叩き極めて明るく声をかけてあげる。
ホントにもう。可愛すぎて困っちゃうなぁ。
「あ………あの、」
「ん?」
「今度は、僕、が………」
「あぁ、俺はいいのいいの」
「でも…………」
そう言って、収まりつかない俺の下半身をじっと見つめている………これも、咲也のリアクションでコーフンしてる、ってことわかってないだろうなぁ。
つか、俺からけしかけようと思ってたのに咲也の方から気にしてくれるなんて、どこまで素直で真面目なコなんだろ。
「…………平気? 男のチンコも触ったことないでしょ?」
「だ、って」
「じゃ、手コキできる? や、無理ならいいよ。俺がシコってるとこ見てるだけでも、」
「いえっ! 大丈夫です!!」
「あ、タイムタイム。咲也の手、汚しちゃうといけないから………」
伸ばしてきた手をいったん抑え、遠くからゴムを持ってきて着けて、座りなおして後ろ手ポーズで待ってると、
「………友樹さん、楽しいだけじゃなくて優しい人なんですね」
ってはにかみながら俺のチンコ握ってきちゃって、まったくどこまでも健気すぎておにーさん逆に泣けてきちゃうよ。
「自分がするように自由にやっちゃっていいからね」
「は、はいっ…………」
最初はためらいがちだったけど、途中でそれじゃいけないと覚悟したのか本格的にシゴいてくれて、その一生懸命な姿に俺もあっという間に昇天。
「はぁ~、いいなぁこういうノリ、久しぶりで」
拭き拭き後処理をしながら咲也にまた明るく笑いかける。
「咲也はどうだった? なんか勢いで誘っちゃったし、巻き込んじゃったかな?」
「え、いえ………男同士って新鮮で、なんだか面白いな、って」
「ホント? じゃ、………これからも二人っきりでこういうの、しない? 一つ屋根の下、男同士のお楽しみで」
「はい、………友樹さんがよけれ、ば………」
「やっりぃ~v あ~もうまったく、俺こんないい義弟 持てて幸せだよぉ~~」
そして、いつものように抱き着いて頬擦りする。
咲也もまた、さも当たり前のように笑いながら俺に身を委ねるのだった。
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