20 / 31
第5話 2/4
「ん…………」
窓から入ってくる光がまぶしくて、目が覚める。
ちょっと早いかもしれないけど朝ごはんの準備をしようかな。
「よっと、」
ぽいんっ。
「? …………わっ、なにこれ!?」
裸のまま起き上がった途端に、胸元に違和感。
見ると、女の子のようにおっぱいが出来ていて。
「せっ、聖司さん!!」
「ん? ………どした、千紘…………」
思わず聖司さんを揺すぶると、まだ眠い目をこすりながら聖司さんも起き上がる。
ぽよよんっ。
「! な゙っ、ぅがぁぁぁぁぁーーー!!」
胸元を見た瞬間、聖司さんは絶叫する。
「ちょ、ちょ、これはっ、ちょ、」
「な、なんでだろ? なんで急に、………え? 夢、なのかな?」
「アホか! 原因はあの変態外道野郎のせいに決まってるだろ!!」 ←正解です。
う………またこんなことになっちゃったんだ。
恐る恐る、下の方にも手を伸ばしてみる。
「どうしよう聖司さん、下もなくなってる…………」
「ま、マジか? ………うっ、うえぇっ…………」
急に聖司さんは口元を手で押さえて、えずきだす。
「聖司さん、どうしたの?」
「うぅ………お、俺、女の裸ムリなんだよ…………」
「えっ?」
「子供んとき行った旅行先で、温泉行ったらキッツイおばさんの団体に囲まれて………面白半分で抱きしめられるは、あげくにちんちん突っつかれるはでトラウマになっちまって………うぅっ、」
真っ青な顔になって聖司さんは枕で顔をうずめる。
「聖司さんっ! 大丈夫!?」
「む、無理…………オマエも女の体になっちまってんだろ?」
「そ、そうだけど…………あ、」
僕は慌ててそばに脱ぎ散らかしていた自分の服を着る。
そして、毛布で聖司さんの体をぎゅっと包み込む。
「聖司さん、これでどう?」
「うぅ………当たってる………俺の体に、おっぱいが………」
「確かに聖司さんのおっぱい、すごく大きいもんね」
「うえぇっっ! 想像させんなよっっ!!」
「ご、ごめんっっ!!」
どうしよう…………やっぱり、聖司さんがいつもしてくれるみたいに。
「っ、千紘オマエ、どこ行くんだよ!?」
「博士のところに会いに行ってくる!」
「やめろオマエ! 何されるか分かったもんじゃねぇぞ!!」
「だって聖司さん動けないし、明日からまた仕事でしょ?」
「う………仕事、………こんな体で、し、しご……と…………」
「聖司さん!? 聖司さんしっかりして!!」
うなされたようにつぶやくと、そのまま聖司さんは気を失ったように目を閉じてしまった。
「っ。」
僕は口をキュッと引き締める。
いつも、こんなとき聖司さんは僕を守ってくれるから。
今日は僕が聖司さんを助ける番だもんね!
ともだちにシェアしよう!