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第二章・6

 ほどなくして、バード・レンタルのスタッフが現れた。  しかし、そのスタッフ構成と言動に、青葉は驚いた。 「誕生日おめでとう、青葉くん!」 「青葉くん、おめでとう!」 「18歳、おめでとう!」  そんなことを口々に言いながら、どんどん部屋を飾り付け、料理をテーブルに並べるのは、青葉と同じ年頃の少年少女だった。 「芳樹さん、これは一体……」 「青葉の、誕生パーティーさ。友達も、大勢呼んだよ」 「友達、って。知らない人たちばかりなんですけど?」  そんな青葉の腕を取り、明るい少女が人の輪の中心に彼を連れて行った。  一斉に、ハッピーバースデーの歌が始まる。  テーブルの上には、ピザにチキン、ノンアルコールのシャンパンに、ケーキ。 「さ、青葉くん。ろうそくの火、消して」  青葉は言われるまま、18の数字をかたどったキャンドルの火を吹き消した。 「おめでとう!」  クラッカーが鳴らされ、紙吹雪が舞い、青葉の頭に降りかかる。  次に、芳樹の言う『友達』たちが、次々にきれいにラッピングされたプレゼントを渡してきた。 「俺、小遣い少ないから、あんまイイもの上げられねぇけど」  そんな彼は、靴下をくれた。 「これ、私の手作り。青葉くん、紅茶好きでしょ?」  そんな彼女は、紅茶のクッキーをくれた。  7人の『友達』からプレゼントをもらい、何だか嬉しくなっているところに、ハンディカラオケを持った女子が歌い始めた。 「うんうん、賑やかでいいねぇ」  少し離れたところから、芳樹はその様子をにこやかに眺めて、時々写真を撮っていた。

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