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第二章・7

 カラオケやゲーム、お喋りに後片付けまで、青葉は見知らぬ友達たちと行動を共にした。 「じゃあ、またね」 「楽しかったよ、バイバイ」 「おじゃましました~」  立つ鳥跡を濁さず。  友達を名乗る、バード・レンタルのスタッフたちは、完璧に掃除まで終えて帰っていった。  後に残ったのは、彼らがくれたプレゼントと青葉だった。  ぽつんとソファに座る青葉に、芳樹はそっと近づいた。 「どうだった? 18歳の誕生日。楽しかった?」 「……一応」  それでいい、と芳樹は青葉の肩を叩いた。 「18歳の誕生日なんて、まぁこんなもんだ。青葉、こういうの初めてだろ?」 「はい」  高校には通わず、ずっと智貴の身の回りの世話をしていた青葉だ。  同年代の友達は、いなかった。 「でも、レンタルの友達なんて。お金で友達を雇うなんて、おかしいです」 「かもしれない。でも青葉、その靴下をくれたのは誰か覚えてる?」 「祥大くんです」 「紅茶のクッキーは?」 「心愛さん」  わずか3時間ほどの間に、青葉は友達全員の顔と名前を憶えていた。 「人とのつながりは、一期一会。青葉はそれをよく解ってる。彼らは確かに友達だったんだよ」  ハッピーバースディ。  芳樹は青葉にそう言うと、数枚の写真をテーブルに残していった。  青葉が初めて見る自分の笑顔が、そこには写っていた。 「僕は……、こんな風に笑えるんだ」  新しい何かをもたらされたのは、芳樹だけではなかった。

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