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第四章・3

 激しい交歓を終えた後は、互いの身体を優しく撫でながらとりとめのないお喋りをした。  その髪を梳きながら。その頬を撫でながら。 「大人の儀式は、どうだった?」 「……刺激的、でした」 「安藤さんでなくって、悪かった」 「いいんです、もう」  僕の新しいご主人様は、芳樹さんなんですから。  そう、心に、身体に刻み込んだつもりだった。 「青葉、それは違う」  芳樹は青葉の頬に手を当て、ハッキリと言った。 「私は君を、使用人として迎えたつもりはないよ。対等なパートナーとして、振舞って欲しい」  パートナー、と青葉は繰り返した。 「そう。青葉の鋭い感性は、私の事業のヒントになる。そして、これが一番大事なことだが」  そこで芳樹は言葉を切って、大切に口にした。 「私の伴侶となって欲しい」  青葉は、ぽかんと口を開けた。  伴侶と言えば、あれだろう。  夫婦、ということだろう。 「え! いや、それは! いきなりそんな!」 「無茶は承知だ。ただ、よく聞いてくれ!」

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