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第四章・7
「決まったかい?」
「え? あ、すみません!」
ぼんやりと物思いに耽っていた青葉は、芳樹の声に慌てた。
「いいよ、ゆっくり決めて。私も、まだだから」
「はい。あの……、何を頼んでもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
では、と青葉はエスプレッソとチョコレートパフェを頼んだ。
「パフェ、一度でいいから食べてみたかったんです」
「なるほど。では、私も青葉と同じものを」
いたずらっ子のように微笑むと、芳樹はマスターにオーダーを伝えた。
「七浦さんがパフェを食べるなんて。天からイワシでも降って来るんじゃないですか?」
「実は私も初めて食べるんだ、パフェ」
青葉のおかげで、こうやって味わえる、と芳樹は嬉しそうだ。
純喫茶なので、パフェはシンプルで上品な作りだった。
しかし生クリームもチョコもアイスも、全て本物を贅沢に使った逸品だ。
「おいしいです!」
「ホントだ、美味い」
今度はパーラーに行って、でっかいフルーツパフェを食べよう、と芳樹は青葉に約束してくれた。
(この人となら、うまくやっていけそうな気がする)
甘いパフェを食べながら、青葉は甘い気持ちを味わった。
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