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第七章・3
「ほら、泣かないで」
「だって。芳樹さんが、あんまり優しいから……」
「安藤さんだって、優しかっただろう? 彼のことは、もう思い出にするといい」
いいことだけ。
彼のいいところだけ、覚えておくといい。
そして芳樹は、今度は青葉の唇にキスをした。
やさしくリップを食み、舌先で上顎を撫でる。
そうしながら、少し大きい青葉のパジャマを脱がせてゆく。
「ん、ぅん、う。芳樹、さ、ん……っ」
「青葉、好きだよ。どうして欲しい?」
今夜は、青葉の好きなようにしてあげる。
耳元でささやかれ、青葉の身体にぞくりと快感が走った。
「後ろから、してください」
「いいよ」
芳樹は青葉の背後から腕を回すと、首筋を吸いながら乳首をつまんだ。
小さな粒が、やがて存在を増してこりこりと硬くなる。
「ん、っあ! あぁ、あ!」
肩を甘噛みし、膝を青葉の脚の間に潜り込ませた芳樹は、ゆっくりと彼のペニスを腿で擦り始めた。
「あ、そんなの。はぁ、ふぁッ! あ、んあぁん!」
芳樹の腿には、すぐに先漏れの体液が粘りついてきた。
(気持ち悦くなってくれるのはいいけれど、少し切ないな)
芳樹は優しく青葉を愛撫しながらも、彼の心の中が手に取るように解っていた。
なぜ、バックの体位を望んだか。
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