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第七章・4

 獣の姿勢で貫かれ、青葉はくぐもった悲鳴を上げていた。  両手で枕を抱え、顔を埋めて啼き叫んでいた。 「……さま。智貴さまぁあ!」  よく耳を澄ませなければ聞こえない、そんな声にならない声。  だが青葉の心を知る芳樹の耳は、さとくそれを拾っていた。 「どうかな、青葉。気持ちが悦いかい?」  智貴の言いそうなセリフを、あえて口にした。 「あっ、あ! はぁ、はぁ、あぁ! 智貴さま。智貴さまぁ!」  これは罰だ、と芳樹は考えていた。  私に落ちてきた、天罰。  安藤さんから無理に青葉を引きはがした私への、天罰。  賢い青葉には、解っていたのだろう。  今夜私に抱かれて、無意識のうちに呼ぶのは安藤さんの名前だ、ってことが。 (だから、バックを望んだ。声が漏れないようにするために)  今自分を抱いているのは、大好きな智貴さま。  そんな風に、青葉は考えているんだろう。  だが、彼を責めることはできない。  そう仕向けたのは、他でもない私なんだから。  それでも射精感は湧いてくる。  萎えるどころか、いきり立ってくる。

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