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第七章・5

「はぁ、あ! あぁッ、あぁ!」  青葉が、精を吐いた。  途端に、声が泣きじゃくる。 「ごめんなさい。先にイッちゃって、ごめんなさい」  これも、智貴に謝っている青葉なのだ。  芳樹とセックスをする時は、まず聞かれない言葉だ。 「いいんだよ、青葉。じゃあ、私もそろそろいいかな?」 「は、はい!」  青葉は、錯乱していた。  今、僕は智貴さまに抱かれてるんだ。  智貴さまに、愛していただいているんだ!  興奮が頂点に達した時、急に火花が散った心地がした。 『今夜、私の寝室へ』 『いいのですか?』 『もうすっかり、私は瑞穂に夢中だよ』 『恥ずかしいです……』 『嫌かい?』 『……お情け、頂戴いたします』  日中の、残酷なシーンが甦ったのだ。  まるで自分が、瑞穂という少年を抱いた後の智貴に、汚されているような気がした。  デザートのように食されている気がした。 「イヤ! 嫌です、放してください、智貴さまッ!」 「青葉!?」 「僕は、僕はペットじゃありません!」 「しっかりしろ、青葉!」 「助けて。助けて、芳樹さん!」

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