48 / 169

第七章・6

 芳樹は半狂乱の青葉から枕を奪い、その顔を目の前にさらした。 「青葉、私はここだ。ここにいるから、安心するんだ!」 「芳樹さん……、芳樹さん!」  芳樹は青葉からペニスを抜き取ると、真正面から抱きしめた。 「大丈夫。大丈夫だ」 「芳樹さん……」  そのまま青葉は、気を失うように眠ってしまった。  ぐったりと力尽きた、細い身体。 「青葉、ゆっくりお休み」  彼をていねいに拭き清め、パジャマを着せてやった。  毛布を掛けて、寝室を暗くした。 「私のコレは、どうしようか」  硬く勃ったままの、芳樹のペニスだ。  行き場を失った性欲が、悲鳴を上げている。  仕方なくシャワーを浴びながら、自分で処理した。 「まさか、この年になって独りで抜く羽目になろうとはね」  これも天罰か、と笑った。  だが、罰を受けただけのことは返ってきた。  青葉が、私に助けを求めてくれた。  私を、味方だと認めてくれたのだ。  シャワーを終え、芳樹は寝室へ戻った。  すやすやと眠っている青葉の隣に潜り込み、彼に腕枕をして眠った。

ともだちにシェアしよう!