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第八章・4

「コーヒーに和菓子、かぁ!」  青葉はいつも私をびっくりさせてくれるね、と芳樹はご機嫌だった。 「どこで買ったのかな。百貨店の『奈々丘堂』?」 「いいえ、ショッピングモールの『みのや』です」  聞かない名だな、と言いながらも、芳樹は薯蕷饅頭をぱくりと食べて目を円くした。 「美味い……!」 「でしょう!?」 「コーヒーにも、よく合うよ。これは掘り出し物を見つけたな、青葉」  嬉しそうな芳樹を見ると、青葉も自然と笑顔になる。  二人で美味い、美味しいとぱくつき、たちまちお菓子は無くなってしまった。 「店内で、お抹茶といただけるスペースもあるんです。今度、御一緒しましょう」 「そうだな。最近、青葉とお出かけしてないしなぁ」  ソファに背を預け、芳樹は頭の後ろで手を組んだ。 「お忙しいんですか、お仕事」 「私がやることでもない、のかもしれないんだけどね」  だけど、思い入れがあって人に任せられない仕事が一件ある、と芳樹は言う。 「そうだ、青葉の知恵を借りよう」 「僕、ですか?」  うん、とうなずき、芳樹は語り始めた。

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