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第九章・3

 翌日には店主から連絡があり、喜んで引き受けさせていただきます、との返事をもらうことができた。 「よかった! お菓子の準備は、これで良し。あとは……」  芳樹が会社へ出かけている隙を見計らって、青葉は毎年七浦家がお菓子を寄贈しているという児童養護施設を訪問した。  お菓子以外にもいろいろな支援をしてくださっている、と施設の職員は頭を下げた。 「七浦さまには、本当によくしていただいております」 「今年もハロウィンには、お菓子のプレゼントをする予定です」  そこでですね、と青葉は職員に身を乗り出した。 「子どもたちから七浦さまへ、サプライズでプレゼントを、と考えてるんです」  職員へ自分の考えを説明する青葉の顔は、実に活き活きとしていた。  施設の職員から同意を得た青葉は、時々子どもたちの様子を見に来る、と約束をして帰っていった。 「あの方の名刺、『社長秘書』って書いてあるけど、ホントかなぁ」 「まだお若いですよね。20歳にもなってないくらい」  それにしては、とてもしっかりした若者だった、と職員たちはうなずき合った。

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