68 / 169

第十章 秋キャンプへ行こう!

 楽しいハロウィンも終わり、11月になっていた。  木枯らしの吹く、寒い季節が本格的にやってくる。  そんな中、芳樹は青葉にある提案をした。 「な、青葉。今度の土日を利用して、キャンプに行かないか?」 「キャンプ!?」  野外で寝泊まりするキャンプは、どうしても夏のイメージがある。  一体どうして、芳樹さんはこんなシーズンオフにキャンプ、なんて言い出すのか!? 「寒い時こそ、キャンプだよ。人は少ないし、テントの中も寝苦しくないし」 「そういうものなんですか?」  キャンプなんて、やったことがない。  正直に、青葉は芳樹に告白した。 「いいねいいね! 青葉の初キャンプ、素敵に演出してみせるよ!」 「ありがとうございます。でも、よろしいんですか? 休日は接待ゴルフがよく入ってらっしゃいますが」  うん、と芳樹は腕を組んだ。 「実は私は、ゴルフはあまり好きじゃない。そこで、腰痛になりました、と嘘をついた」 「嘘はいけませんよ!」 「だって、青葉とキャンプしたくなったんだから、仕方がないだろう?」  青葉は眉間を押さえた。  こうなると、子どもと一緒なのだ。芳樹さんは!

ともだちにシェアしよう!