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第十章・2

 解りました、と青葉はうなずいた。 「キャンプ、楽しみにしてます。僕に何か準備するものは、ありますか?」 「そうだなぁ。防寒できる服や小物を、買っておいて。ダウンや帽子、手袋、靴下……。アウトドアショップに行って、週末キャンプに行くんですけど、って言えば出してくれると思うよ」 「解りました」 「支払いは、いつものように渡したカードでね」 「はい……」  芳樹は、青葉に彼専用のクレカを作って渡したが、それを使うことにためらうこともあった。 (僕は何のお役にも立っていないのに、こんなにお金を使ってもいいのかな)  しかも、現金も渡される。  かなり高額なお小遣い。  芳樹は、身の周りを整えてくれたり、事業のひらめきを与えてくれる対価だよ、と優しく言ってはくれるのだが。  そんな考えもあり、青葉は安い買い物をした。  アウトドアショップに並んでいた防寒着に似た服を、量販店で買ったのだ。  帽子も手袋も靴下も、そうやって節約した。  秋のキャンプを、こんな風にすっかり油断して迎えた青葉だった。

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