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第十一章 好きです
薄暗いテントの中で姿のよく見えない芳樹は、ただ静かにその指先で、手のひらで青葉の体を撫でてきた。
髪を撫で、そっとキスをし、頬を抱く。
どうしたんだろう。
何だか、どきどきしてくる。
いつもより、さらに扱いが丁寧だ。
暗くて見えないからだろうか。
いや、それを除いたとしても、優しく優しく触れてくる芳樹だ。
ちゅ、と軽いキスが、不意打ちで落とされた。
こり、と耳たぶを、不意打ちで噛まれた。
ただ優しく、指先で、舌先で、不意を打っては青葉の敏感な部分を責めてくる。
「芳樹さん。明かり、もう少し強くなりませんか?」
「暗いのは、いや?」
「ほとんど何にも見えないのは、あんッ!」
れろり、といきなり乳首を舐め上げられた。
胸元はすっかりはだけられて、その小さな乳頭をくりくりと可愛がられていた。
触れるか触れないかくらいで唇を寄せ、そっと舌先で掘り起こす。
この、舌先の器用さがたまらない。
見えない中での優しい甘い愛撫は、いつもより青葉をぞくぞく震えさせていた。
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