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第十三章・8
「青葉、起きてる?」
「うぅ……」
汚れた青葉の身体を拭いてあげながら、芳樹は彼に問いかけていた。
「もしかして君、発情したかも」
「んん……」
裸にパジャマを着せてあげながら、芳樹は青葉に話しかけた。
「今度、病院にいってみよう」
「……」
寝ちゃったか、と芳樹は笑顔で頬をひとつ撫でた。
「まぁ、発情はΩにとって一大事だから、ちゃんと起きてる時に話そう」
自分がインフルエンザ患者であることなどすっかり忘れ、芳樹はシャワーを浴びてさっぱりした。
「Ωの発情って、何かお祝いするのかな? 赤飯炊いたり、とか?」
パジャマを着て、青葉の隣に潜り込むと、彼はすうすうと眠っていた。
「可愛いなぁ」
両腕で抱きよせ、その髪の香りを深く吸った。
「いい匂い」
まだまだ少年だと思っていたけど、発情を迎えたのならもう立派な大人だ。
「ちゃんと一人前の大人として。対等なパートナーとして、扱うよ」
改めてそう誓い、芳樹は眠りに落ちた。
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