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第十三章・9
12月25日、クリスマス。
朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいる。
芳樹は、隣で眠っている青葉の髪を優しく撫でた。
「ん……」
「ごめん。起こしたか」
芳樹の声に、青葉はがばりと毛布をはだけた。
「すみません、寝坊しました!」
「いいからもう少し、横になって。昨夜は疲れただろう?」
その言葉に頬を赤く染めながら、青葉は芳樹の額に手を当てた。
「芳樹さんが熱を出してるのに、僕ったらなんてことを」
「もう、下がったみたいだよ」
電子体温計で測ると、熱は36度7分。平熱に戻っている。
「青葉にうつしたんじゃないだろうな。君は熱があったりしないか?」
「大丈夫です。平熱です」
それにしても、と芳樹は昨夜の青葉の行動を思い出して深い息を吐いた。
「悦かった……」
「もう。やめてください」
昨夜は芳樹からの贈り物に、青葉もお返しのプレゼントをしたのだ。
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