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第十三章・10

「素敵なクリスマスプレゼントだったよ。ありがとう、青葉」 「は、はい」  でも、と青葉は唇を丸めた。 「僕がフェラして芳樹さんを悦ばせようと思ったのに、何だか途中から僕ばかりがいい気持ちになっちゃって」 「青葉が気持ちいいのなら、私もまた、気持ちがいいんだよ」  なんたって、婚約者なんだから。  芳樹は、青葉の薬指のリングにキスをした。 「それから、今度一緒に病院へ行こう。青葉、君に発情が訪れたかもしれない」 「ええっ!?」 「自分自身のことだよ。解らない?」 「えっと……。そういえば、昨夜の僕はやたらと淫らで……」 「フェラを私にしてあげよう、と思ったことも、関係あるかもね」 「はい……」  青葉は、困惑していた。  僕が、僕に、発情が!? 「青葉、そう力まないで。素敵なことでもあるんだから」 「素敵、ですか?」 「赤ちゃんができるように、なる」 「赤ちゃん!?」  僕と芳樹さんの、赤ちゃん!?  暗かった青葉の表情に、光が射した。 「さ、起きようか」 「はい!」  二人で手を取り合い、ベッドから降りた。  カーテンを開けると、冬の晴天が青く眩しかった。

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