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第十八章・2
食事を終え、青葉特製のチョコレートケーキを頬張りながら、芳樹は青葉に訊ねた。
「熱は? 少しは下がったのか?」
「まだ38度台です。なかなか下がりませんね」
そんな熱が、もう一週間ほど続いている。
「そんな他人事みたいに。明日、一緒に病院へ行こう」
「一人で大丈夫ですよ」
「いや、一緒に行く」
その表情は、真剣そのものだ。
心から、青葉を心配している顔だ。
「何か……、嬉しいです」
こんなにも、自分を大切にしてくれる人が傍にいる。
それが、青葉の心を熱くした。
「嬉しい、とは私からのプレゼントを見てから言うんだな」
芳樹は、忍ばせておいた二つの包みをテーブルの上へ置いた。
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