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第十八章・4

 途端に引き締まった芳樹の顔つきに、青葉は不安になった。 「誰ですか?」  隠しても、仕方がない。  芳樹は、正直に答えた。 「君の、お兄様からだ」  もしもし、と芳樹は青葉の前で堂々と話し始めた。  青葉に、何の後ろめたさもないことを証明したかったのだ。 『芳樹さん、今夜はお会いできなくて残念でした』 「すまない。青葉の体調のことは話したね? 彼が心配なんだ。外で食事をする気にはなれなかった」 『贈物を準備してました。後日、お渡しします』 「お気遣いなく」 『それでは……、青葉くんに替わってもらえますか?』 「青葉に?」  芳樹は、迷った。  怜が、何かひどい言葉を青葉にぶつけないかと不安になった。  しかし、怜の声は穏やかだ。  そこで思いきって、スマホを青葉に渡した。 「お兄様が、君と話したい、って」  青葉もまた、不安げに携帯を芳樹から受け取った。

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