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第十九章・2
「白血球数に大きな異常がみられます」
医師・久保は検査結果の数値を示しながら、青葉と芳樹に説明をした。
「精密検査をして、重篤な病気かどうか確認しましょう」
重篤、という言葉に芳樹の不安は高まった。
「重篤、とは? 例えば?」
「血液の癌。白血病の類です」
ちょっと待て、と芳樹は久保に食って掛かった。
「本人を目の前に、よくそんなことが言えたもんだな。デリカシーというものが、無いのか!?」
「訊いたのは、七浦だろうが!」
「ふ、二人ともやめてください」
間に入った青葉に、二人の男は口をつぐんだ。
そうだ。
一番苦しいのは、患者自身。青葉自身なのだから。
「そうはいっても、精密検査を受けて重大な病気が見つかるのは、1割程度だ。心配し過ぎるのも、よくないよ」
「はい。僕は大丈夫です」
「しっかりしてるな。保護者とは大違いだ」
「うるさい」
プチ漫才で気が軽くなった青葉だが、彼には試練が待っていた。
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