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第二十一章 融解
「お父様! いつも僕を政略結婚の駒にしか見ていないのに、こんな時だけ息子扱いはやめてください! それに、青葉くんだって、お父様の息子です!」
怜の悲痛な訴えに、土門は怯んだ。
今まで口ごたえなどしたことのない玲が、涙ながらに訴えてきたのだ。
自分の今までの息子への言動を思い返し、唇を噛んだ。
『七浦さんとは、どうだ。巧くいってるのか?』
『もし縁談がまとまれば、双方にとって非常にいい関係を築くことができる』
『怜はどうやら、自分の役目をしっかり解っているようだな』
あまりにも怜を、資産を肥やすための道具のように扱い過ぎた。
まだ18歳の、怜。
これから進学し、社会へ出る未来も開けていたというのに。
「怜、すまなかった」
まずは、それだけ言うのが精いっぱいだった。
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