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第二十二章 新しい世界

「ただいま帰りました」  青葉の声を聞いて、怜は廊下へ飛び出していた。 「お帰り、青葉。学校はどうだった? 勉強、ちゃんとついていけたかい?」 「お兄様がずっと教えてくださっていたので、すぐに頭に入ってきました」  青葉は健康を取り戻し、土門家の人間になっていた。  妙子の希望通り高校に入学し、今日はその初日だったのだ。  怜は海外留学をやめ、エスカレーター式で明秀大学へ進学した。 『留学はいつでもできるけれど、青葉と触れ合えるのは今だけですから』  これが、彼の言い分だ。  ようやく巡り合えた、双子の弟。  命を分かち合った、兄弟。  怜は芳樹同様、青葉を大切に思うようになっていた。 「帰宅が遅かったね。なぜ?」 「そ、それは」 「誰かさんと、会ってた。そうだろう?」

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