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第二十二章・4
「でもお兄様、明日はその。芳樹さんのマンションに誘われているのですが。……泊っても、いいですか?」
「いいも何も。芳樹さんと青葉は、婚約してるんだ。自由にしていいに決まってるよ」
「お母様が、許してくださらないかも」
「二泊三日で、お母様はお友達と別荘へお出かけだよ」
じゃあ、と青葉は目を輝かせた。
「秘密にしておいてくださいますか?」
「もちろん。でも、いずれは婚前交渉を認めていただけるよう、お母様にもきちんとお話ししなくては、ね」
婚前交渉、と青葉は再び赤くなった。
お兄様には、何もかもお見通しなのだ。
「発情抑制剤は飲んでる? ピルは?」
「大丈夫です」
「まだ、赤ちゃんは作っちゃダメだよ。大学を出るまでは」
「はい」
じゃあ、と怜は青葉に微笑んだ。
「楽しんでおいで。芳樹さんに、よろしくね」
「はい!」
青葉も、にっこり微笑んだ。
怜は、思った。
神様、僕にこんなに素敵な弟を授けてくださったことに、感謝します。
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