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第二十二章・6

 ディナーを食べながら話すのは、青葉の新しい生活のことが主だった。  以前は、私がよく喋り、彼が相槌を打つことが多かったっけ。  目を輝かせながら話す、青葉。 「青葉」 「え? 何ですか?」 「君は、さらに魅力的になったね」 「な、何ですか、急に……」  輝いてるよ、今の青葉は。  本当に、眩しいものを見るように、芳樹の目は細められている。  慈愛の表情に、青葉は嬉しいやら気恥ずかしいやら。 「ご、ごちそうさまでした。あの、先にバスを使ってもいいですか?」 「いいよ。ゆっくり入っておいで」  食器はバスから上がってからやります、と言う青葉を制して、芳樹は彼をバスルームへ放り込んだ。  皿洗いなど、食洗器がやってくれるから構わないのだ。  青葉の後にバスを使いながら、芳樹は久々の夜にときめいていた。

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