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第二十二章・8
気持ち悦く青葉に口を預けながら、芳樹はゆったりと、時には手際よくそのパジャマを剥いでいた。
ボタンを外し、布地に手を掛け素早く下ろす。
キスに夢中の青葉は気づかないのか、それとも芳樹に全てをゆだねてくれているのか。
(何にせよ、キスが巧くなったものだ)
言葉にすれば、それは芳樹のせいだ、と返って来る事は目に見えていたので黙っていた。
ただ身体を晒して、吸い付くようにきめの細かいその肌を手に味わう事に専念した。
「芳樹さん。早く……」
口を離して息を弾ませ、ねだるようになったのは胸の乳嘴を苛めるようになってからだ。
初めは布越しに、かりかりと爪を立てて引っ掻いていた。
その時も、物言いたげな目線を寄越してきたので、布越しは止めて直に弄るようにしたのだ。
「どうした。口でして欲しいか?」
こくり、と無言で頷く瞳はすでに潤んでいる。
「しかし俺の口はこの通り、君にちゅっちゅと吸われているので……」
「意地悪なんですから……」
ため息交じりの切ない物言いに、芳樹は負けたと思いながら、青葉の胸元に唇を寄せた。
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