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第二十二章・12

「すまない。もう少しだけ、付き合ってくれ」 「あッ、もうダメ。あッあッ、イヤあぁあ!」  私はまだ吐いてないから、と先に絶頂に達してひとまず落ち着いた青葉を、構わず犯し続けた。  汗が飛び、精が流れる。寝室はすっかり熱を帯び、まるで真夏の様に暑く感じられる。  荒い息がひっきりなしに吐かれ、甘いうわ言が紡がれる。  青葉は芳樹に貫かれながら、二度目の波の予感を覚えていた。  まったくこの芳樹さんと来たら、まるで僕を壊す勢いで抱いてくるんだから。  さっきはあんなに和やかに、料理の話などしていた芳樹さんが、僕を前に狂ったように腰をやる。  吐精感を抑えながら、青葉は芳樹の事を考えていた。  優しい穏やかな顔と、情け容赦ない狂った顔。  どっちも好きです、芳樹さん。  どっちも、芳樹さんなんですから。

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