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スマホの目覚ましを止めて起き上がる。 やけに暖かいと思ったら、キョウヘイが布団に潜っていた。 そうか、昨日は一緒に寝たんだった。 すうすうと静かに寝息を立てているキョウヘイを起こさないように、ゆっくりベッドから離れた。 昨晩キョウヘイが作ってくれた飯をよそってテレビをつける。飯が用意されてるだけで、こんな時間に余裕ができるのか。あと20分はゆっくりできるな。などと考えながらニュースに目をやると、いつもとアナウンサーが違うことに気づいた。 あれ、チャンネル間違えたか。 番組表を開くと、土曜日と表示される。 「うわ…、まじか。」 しっかりスーツまで着て、あとは家を出るだけの状態の自分の姿を見て項垂れる。 完全に勘違いしてた…。 俺はすぐさまスーツを脱いでネクタイを緩めた。 休日だと分かった途端、全てのやる気がゼロだ。 もうちょっと寝ればよかったなあ。と思いながら、頬杖を突いてテレビを見ていると「おはよう〜。」と寝起きで掠れた声が聞こえた。 「おはよう。」 「あれ、アキラさん今日仕事なの?」 キョウヘイは目を擦りながら尋ねる。 「勘違いしてた。」 「あはは。昨日朝飯用意してた時も、あれって思ったんだよね。」 「言ってくれよ…。」 はあ、と息を零すと「だって朝ごはん用意する派の人だと思ったんだもん。」と言いながら鍋に火をかけた。 自分で言うのもあれだが、あの包丁捌きで自炊するわけないだろう。 「ねえねえ、アキラさん今日暇?」 「特に何もないよ。」 「じゃあさ、外連れてってよ!」 目をキラキラと輝かせながらキョウヘイが言う。 外って言ったって、どこに行くつもりなんだろう。 「どこに?」と尋ねると「ここ!」と言って着ているジャージを掴んだ。 「え?高校行くの?」 「そう!ここに行きたい。」

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