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「ほら、やっぱりアキラの回答違っただろ?」
「…ぐっ……。」
「まあまあ!二人のおかげで俺めっちゃ助かったよ!さんきゅな!」
授業が終わり三人で下校していると、ヨリヒトは未だにチクチクと小声を溢してくる。それに気が付いたキョウヘイが、必死にフォローをしてくれるが時既に遅し。
俺が額に青筋を浮かべてヨリヒトに突っかかろうとしたところで、キョウヘイが羽交い締めにして俺を止めた。その様子を見てヨリヒトが更に笑ってくる。
本当、こいつは……!!
ぷーくすくす。と言って俺を指差すヨリヒトの指を噛もうとすると、キョウヘイが「ヨリヒトも煽りすぎだよー。」と言っておれを掴む力を強める。
「キョウヘイ。それ以上は普通に痛い。」
「え?ああ!ごめんね!」
ぱっとキョウヘイが俺の腕を離すと、堰き止められた血液が猛スピードで巡るのを感じる。
そういえば、キョウヘイは馬鹿力だもんな…。
じゅわ〜と温まる二の腕をさすると「ごめんねえ。」と言って俺の動きに合わせてさすってくる。
「あ〜またアキラがキョウヘイに媚び売ってますよ〜。」
「…っな!ちっげえよ!」
本当どこまでもムカつく野郎だな…!
俺はキョウヘイの手を振りほどき、ずかずかと足音が鳴りそうな足取りで、俺は二人より前に出て歩いた。
「なんであーも短気なんだろうねえ。」
両手を後ろに組み、ぴゅーと口笛を吹きながらキョウヘイに話しかけた。
「あはは、ヨリヒトはずっと涼しい顔してるね。」
「まあねー。アキラは煽ったら煽っただけ、ちゃんと返してくれるから面白いんだよ。」
キョウヘイは「またそういう事言って。」と困った顔をした。
「そういえばさ、キョウヘイは進路決めたの?」
「あー…、いや、それがまだ決めれてなくて….。」
「お前ん家大変だもんな。俺らで手伝えることあったら言ってよ?」
キョウヘイはバツが悪そうに頬を掻いた。
「はは、ヨリヒトに隠し事はできないね…。」
「まあ…、キョウヘイが取り乱してたの珍しいし。
最近特に疲れた顔してたから。」
「そんな顔に出てる?」
「事情を知ってたらって感じ。大丈夫、鈍感なアキラは気づかないよ。」
そう言うとキョウヘイは俯きながら優しく微笑んだ。
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