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そういえば午後は雨降るって言ってたっけ。
分厚い雲からは大粒の雨が降りしきり、夜のように暗かった。
勉強する必要が無くなった今、先生の口から発せられる言葉は全て呪文に聞こえる。
これからどうしようかな。と頬杖を突いてぼんやり考えていると、昨日の叔父さんの言葉が蘇った。
『兄貴と一緒死ねばよかったのに。』
まるで刃物を胸に突きつけられた様な衝撃を感じた。
再び痛む胸を押さえつけると、むせ返る暑い夏の日を思い出す。変わり果てた両親の姿。所々原型を留めていなかった四肢。言葉にならない言葉で泣き叫んだあの時。
俺も一緒にいけたら、こんな風に悩まずに済んだのかな。
考えない様にしていた事が、ふと頭をよぎった。
叔父の言葉は想像以上に俺の心を蝕んでいたのだ。
窓に反射する自分の姿は、酷く疲れている様に見えた。
俺、こんな顔だったっけなあ。と窓に写る自身を見つめていると、次第に睡魔で机に伏していった。
気がつくと午後の授業は全て終わり、教室がざわつき始めていた。完全に爆睡していた俺はしまった、と思いながら机の上を片付ける。するとアキラが鞄を持って俺の席にやって来た。
「ヨリヒト今日掃除当番だって。一緒に帰ろう。」
そう言うアキラは指で頬を掻きながら、目が泳いでいる様に見えた。昨日の言動といい、最近のアキラはなんだか様子が変だ。しかし、俺は気に留める余裕もなく、気づかないふりをしてさっさと荷物をまとめた。
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