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. 告白

  「うわーびっちょびちょ。」 「ほんとだよ。誰かが押すせいで。」 「アキラだって押してきたじゃんー。」 駅に着く頃には、シャワーを浴びたのかと勘違いする程濡れていた。あれからヒートアップして、終いには傘の意味を無さない程夢中になってしまったのだ。 周りの人たちはびしょ濡れの姿に驚き、距離をとって通り過ぎて行く。それもそのはず、雫は滴り落ち俺らの周りには新しく水溜りができていたのだ。 流石に電車に乗れる状態ではない俺たちは、ベンチでしばらく待つことにした。 「はあーさっぶ!」 「あ、俺タオル持ってるよ。」 リュックから取りだしてアキラに差し出す。 「さんきゅ。久しぶりにあんな馬鹿したわ。」 「俺もー。超寒い。」 着ていたブレザーを脱いで絞ると、バケツをひっくり返したかと思うほど水がこぼれ落ちる。拭き終わったタオルをアキラから受け取り、俺も頭を拭いた。 「もうしばらく待った方が良さそうだね。」 そう言って線路の方に目を移すと、俺の膝にアキラが手を置いてきた。 「ひゃー冷たいよ!」 がくがくと足を揺らすが、反応が返ってこないので視線を隣に移した。 アキラは俺の膝に手を置いたまま俯いている。 どうしたの?と顔を覗き込むと、目元は濡れた髪で覆われており、僅かに開いた口元だけが見えた。 「なあ、」 「うん?」 「俺がキョウヘイのこと好きって言ったら、どうする?」 顔を上げたアキラは涙と錯覚する程目元には雫が滴り、雨に打たれて冷えているはずの手のひらは、熱があるかの様に熱く赤くなっていた。

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