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2-けもの道(8)

「あー、えっと、わりぃが二人ともそこでちょっと待っててくれ。片付けが終わってねぇんだ。すぐやっちまうから」 そう言うと、琉夏は一人先にリビングに入ってドアを閉めた。 でも、ドアには硝子が嵌まってるから、中の様子は見てとれる。 ふふ。俺がさっき妄想してた通りみたいだ。 床から雑誌みたいなのを拾い上げて抱えてる。 あは。ソファに脱いだ服置きっぱなしだったんだね。 そんなに散らかってる訳じゃないし、わざわざ片付けなくても大丈夫なのに。 意外と律儀なところがあるんだな。 「うーん、えっと、西嶋さん、さぁ。琉夏との付き合い長かったりする?」 ふと秋さんに聞かれた。 「いえ、会社で異動があって初めて知り合ったんで、半年経つか経たないかってくらいです」 「そーなの? ふーん。……あ、いや、変な意味じゃなくて、なんか僕、西嶋さん知ってるような気がするんだよね。でもそうか、気のせいか……」 「どっかですれ違ったのかもしれないですね。俺、髪とか目とか目立つので」 「うーん、そうだねー」 うんうんと二人頷きあっていると、琉夏がリビングに通じるドアを開けた。 「すまん、待たせた。結局まだ散らかってっけど、入ってくれ」

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