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第5話

 デカくて硬いソレは僕を最大限に広げ串刺しにした。  昨夜から、与えられ続けた快楽のため、もう僕の心は苦痛をのぞんでいた。  快楽より、安心出来るそれが僕はもう嬉しかった。    絶叫した。  熱くて痛くて。  でも、それはやっと与えられた脳の休息だった。    快楽に灼かれ続けた脳は、今やっと安らげた。  例えそれが、苦痛であろうと。  「痛い、痛い、痛いぃ」  僕は泣いた。  やっと快楽をかんじなくてすむことに安心して。    でも見えないそれは僕の中にゆっくりゆっくりまだ入ってくる。  腹の中いっぱいに満たされる。  どこまでもどこまでも、入ってくる。  熱くて痛いソレが。  気絶できる、そう思った。  やっと逃げられると。  流したのは嬉し涙だった。   意識だけでももう逃げたかった。     でも、深い信じられないほど奥まで入られた後、それは動くのをやめた。  荒い息。   捕まえられた脚に食い込む見えない指。  ソレが耐えているのがわかる。  腹を突き破るほどに動きたいのを。  でも、ソレは堪えていた、  待っていた。  待っている理由がわかって僕は全身に鳥肌が立った。  コイツは僕がコイツのデカい性器に馴染むのを待っている。  コイツはただ僕の中で擦って達したいだけじゃない。  僕に快楽をあたえたいんだ。  快楽で脳をゼリーみたいに蕩けさせたいんだ。    「嫌・・・嫌・・・もう、許して・・・」  僕の声は力なかった。    でも、許されない。  息が出来る程に落ち着いたなら、ゆっくりとソレは動き始めた。  ゆっくりと引き抜かれる。    襞という襞がゆっくり裏返される。  ゾワリゾワリとした感覚に、呼気が零れる。  穴のちかくまで引き抜かれ、またゆっくりと押し入れられる。  襞が巨大な性器にからむ。   それを教え込まれた。  ゆっくりとそれをくりかえされると、奇妙な感覚が生まれてくる。  灼かれながら、とかされる。  貫かれながら、満たされる。  「あふぅ」  僕は涎をたれながした。  また、始まったのだ。  終わらない快楽が。  指で散々弄られた中の凄い場所を巨大な性器でゆっくりと突かれた。  「くふぅ!!!」  僕は顎を反り返らせ、背中を反らした。  また脳が焼けた。  脳が死ぬ。  死んでしまう。  終わらないとわかっていた。  もう、とっくに僕の性器は勃起するのを止めていた。  でも、ダラダラと壊れたように精液を垂らし続けていた。  しかし、そこは快楽の中心ではなかった。  僕は。  中で快楽を貪っていた。  性器を穴に挿れられて、女の子みたいに、  「くふぅ、がはぁっ」  汚い濁った呼気を立てる。  鼻水も涙も涎も止まらない。  内臓を裏返されるように擦られ、僕は悦んでいた、  ゴリゴリ良いところを擦られる。    「ああっ・・・いいっ・いいっ・いいっ」  僕は喚いた。  快楽を拒否するよりは受け入れる方が耐えやすかったから。  執拗にそこを突かれ続けた後、大きくスライドされていく。  中の全てが気持ちいいことを教え込むように。  襞を裏返され、広げられるのは良かった。  行き止まりを、こじ開けるように突かれたら身体をよじって快楽に耐えた。  「いいっ!!いいっ!!気持ちいい!!」  狂ったように叫んだ。  でも、さらにデカくされ、中でそれがはじけた時・・・。    「助けて・・・」  僕は泣いた。  涎を垂らし、目を見開き、イキながら、でも、絶望して。  この快楽は、  この快楽は。  僕の望んだモノじゃない。  でも、助けなどない・・・。  狂ってしまいたい・・・。  そう思った時、唇が塞がれた。    見えないソレに口の中まで犯されるのかと、さらに絶望した時、手の指も握られた。  ソレの見えない指は僕の両脚を掴んでいるのに?  僕はぼんやり見開いていた目の焦点を合わす。  僕の手を握り、僕にキスをしていたのは、僕の友達だった。  僕は戸惑い、首を振ってその唇から逃げようとした。    でも友達の唇はさらに強くおしつけられ、舌が入ってきた。  お前まで、僕を犯すのか。  そう思った。  でも違った。  その舌は優しかった。  その指は優しかった。    僕の中をたっぷりと塗らすように出した後も、硬さを失わないでそれは僕を貫き続ける。  僕を狂わせるような突き上げに、また何度も何度もイカされながら、僕は友人の優しいキスにしがみついた。  狂わせられるの快楽とは違って、そのキスは確かにいたわりがあった。  慰めがあった。  目を開いたままする友人とのキスに、友人の苦痛が見えた。  「いる。いるから。俺はいるから!!」  友人はキスの合間に囁いた。  友人は逃げることもしないで、見ないこともしないで、僕がどうなろうと最後までここにいてくれることを選んだのだ。  「くひぃ」  僕はどんどん激しくなってくる突き上げに、友人の口の中に声を零す。  友人は場違いなくらい、優しい優しいキスを繰り返してくれた。  友人の右手はずっと、自分の股間を握り、友人も何度も射精していたけれど、その左手は僕の指を握り、その唇はずっとキスをしてくれていた。  夜が明けるまで。  夜が明けると。  またソレは消えた              

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