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第7話
「目に見えないモノに犯されるぅ?」
何を言ってるんだ、そんな風にその人は顔をしかめた。
「本当なんだ!!この目で見たんだ!!助けてくれよ!!」
友達が泣きながら言う。
まるで自分が犯されたみたいに。
僕は友達の腕の中で横たわってそれを見ていた。
何だか、何もかもが遠い。
水の底から全てのものを見上げてるみたいだ。
「何をみたんだ?その子が一人オナニーしてただけじゃないのか?」
その人は腕組みする。
信じてない様子だ。
それでも、話を聞いてくれるだけ、受け入れてくれただけでもマシだ。
普通の神社や寺や教会からは断られ、インチキ臭い連中は嗅覚だけは素晴らしく、僕を見た瞬間本物の怪異なのだとなぜだかか悟って逃げていく。
友達の友達の知人の知人であるこの寺の跡取り息子だけが、なんとか寺に受け入れてくれることになったのだ。
住職であるこの人の親父さんは奇妙な出来事に強いらしい。
表向きにはしてないが、極稀に説明できない出来事に介入しているらしい。
でも残念ながら親父さんは出かけていて、しばらく連絡もとれないのだか、それでもいいなら、となんとか寺に入れてもらえたのだ。
もう僕の家も、友達の家も駄目だ。
アレがやってくる。
昨夜みたいに。
「心霊現象の大概が思い込みだからな、話は聞くっていったけど信じた訳じゃない」
僧侶の恰好さえしてないその人は言った。
まだ修行さえしていないとのことだけど、それでも、お寺ならまだなんとかなるんじゃないか、そう思った。
どこからも見捨てられたのだし。
だから、ここから追い出されたくはなかった。
僕は声も出さずに泣く。
友達も泣く。
友達が僕のシャツを捲り上げた。
腫れ尖った乳首や、吸われた跡ならそんなに驚かれなかったかもしれない。
ただのセックスの跡だ。
なんなら友人がそうしたのかと思ったかもしれない。
でも、男の顔色が変わったのは。
歯形。
そして、手首や肩についた手の跡。
それらがあまりにも大きかったからだ。
人間にしてはでかすぎる。
デカいデカいデカい・・・。
僕はおもいだして悲鳴をあげた。
デカいのが入ってくる。
巨大なそれが僕の中を擦りあげる。
奥の奥までこじ開けられる。
「大丈夫!!大丈夫だから!!」
友達は悲鳴をあげる僕を抱きしめながら叫ぶ。
「奥まで刺されて・・・ゴリゴリされるぅ・・・イカされるぅ・・・怖いぃ!!」
僕は泣きわめいた。
でも乳首は勃ちあがり、性器も膨らみ始めていた。
怖いのに、身体が熱くなる。
嫌なのに。
僕は泣き喚く。
泣きながらズボンを下ろして自分で勃起したそこをこすり始める。
快楽が怖いのに、逃げられる場所が他にない。
「デカいのにこじ開けられるぅ・・・いっぱい出されるぅ・・・助けてぇ」
泣きながら自慰を始める僕を、その人は真っ青になって見ていたし、友達は泣きながら抱きしめ、なだめるようにキスしてくる。
そのキスに僕はしがみついた。
優しいキスたけが僕を支えた。
昨夜犯されていた時も、そのキスだけが僕の正気を守ってくれた。
僕は自分で性器を擦り、もう出ないそこで出さないで達した。
「助けてくれ・・・コイツはもうもたないのはオレにもわかる」
友達がその人に言った。
「・・・・・・オレに出来ることはしてやる」
その人は青ざめたまま言ってくれたのだった。
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